[イベント,コラム]2020.1.20

令和の大学生が理想の飲み会を考える「よなよなエールの飲み会成人式」

よなよなエールヤッホーブルーイング大学生成人式飲み会

2020年1月13日(月)成人の日、日本各所で令和最初の成人式が行われた。東京はポカポカとした陽気の元、晴れ着姿の新成人が街角をあでやかに彩る。そんな華やかな日、よなよなエールでお馴染みのヤッホーブルーイングは、YONAYONA BEER WORKS 赤坂店にて、成人大学生向け飲み会啓発イベント「よなよなエールの飲み会成人式」を開催した。23名の成人大学生が参加し、クラフトビール3杯付きのコース料理を楽しみつつ、ビール談議に花を咲かせた。「飲み会成人式」とは、「今までの飲み会のあり方を見つめ直し、年齢だけではなく、飲み会のあり方も大人になるための式」というコンセプト。成人大学生に普段の飲み会を振り返ってもらい、このイベントを通じて飲み会をより楽しくできるヒントを持ち帰って欲しいという趣旨である。このイベントの企画やコース料理の開発には、東京大学発の学生プロジェクト「ごちそう会」のメンバー1名と有志の大学生5名の計6名が参画。大学生の様々な意見・アイデアをこの企画に反映した。

ヤッホーブルーイングのまるちゃん(右上)、ごちそう会の野並くん(左上)、企画に関わった大学生たち

◆「飲み放題」の功罪

今回、イベントの開催を考える際に、ヤッホーブルーイングは成人大学生に向けてアンケート調査を行った。普段の飲み会で後悔したこと、不満に感じたことなどに関するアンケートだ。このアンケートの結果から大学生が抱える飲み会に関する課題が浮かび上がってきた。

  • 適正量の飲酒を心がけているものの、飲みすぎてしまう。
  • もっと美味しいものが食べたい、飲みたい。コスパが悪い。

企画に関わった大学生メンバーに詳しく話を伺うと、どうやらこれらの課題は、飲み会の選択肢として「飲み放題付きの料理コース」を選びがちとなってしまうことと深いつながりがあるようだった。アンケート結果からは「割り勘の清算が楽」ということもあり、飲み放題付きの料理コースを利用することが多いという傾向が見られる。「コース料金が税込みか税抜きか見誤って、会費から足が出てしまったことがある」という話に大学生たちは「あるある」と反応。「申し訳ないので足が出た分自腹で払ったことがある」という声も。会費の設定、徴収に関しては特に気を遣っているという感覚が伺えた。

そして、飲み放題ゆえに『飲みすぎてしまう』ということについて、アンケート結果では飲みすぎによる「二日酔い」を後悔する大学生が多いという結果も出ていたが、大学生メンバーからは「一緒にいる友達が飲み過ぎて酔い潰れないか心配になるので、飲み会を心から楽しめないことがある。酔い潰れた友達の面倒を見なければならない」という意見も出た。他にも「せっかく面白い話を聞けたのに、飲み過ぎて内容を覚えてない」ということも。

また、『もっと美味しいものが食べたい・飲みたい』ということについては、低コストで「飲み放題付きの料理コース」を選ぶと、どうしてもお酒や料理の質が下がってしまうことが多いが、「サークル内には未成年の大学生もいますし、成人大学生でもお酒をそんなに飲まないという学生が増えてきているように思います。お酒を飲まない分、料理に求めるウェイトが大きくなり、美味しくないことに対する不満が大きくなっていると思うんです」という見解も。一方で「アラカルトで注文すると結構な金額になってしまうことが多い。一人5000円を超えてしまう感覚がある」とイベント参加者の声もあり、コストパフォーマンスの悪い飲み会に後悔することが多々あるようだ。

◆ビールは1人3杯まで

「ビールに味を!人生に幸せを!」を企業ミッションとして掲げるヤッホーブルーイングは、今回の『飲みすぎてしまう』というアンケート結果に対して、ビールの量の上限を設定した飲み会を企画することにした。香りと味わいが豊かなヤッホーブルーイングのクラフトビールなら、時間の経過とともに変化する香りを楽しむことができる。その一杯を長い時間楽しむことができるので、1人3杯でも十分満足できる。そして、ビールの量を制限するコスト分、料理の質や量を確保しやすくなる。さらにはビールのスタイルやペアリングについての知識も持って帰ってもらえれば、満足度の高い飲み会となるのでは。こうして大学生メンバーから意見を取り入れた「飲み会成人式」専用のオリジナルコース料理が完成した。その内容はこちら。

「ビール市場にバラエティを提供するだけでなく、クラフトビールを通じて日本に新しい飲み会文化を広げていきたい」と考えるヤッホーブルーイング。大学生へ向けたオリジナルコース料理はフード5品+ドリング3杯で3500円(税別)。

よなよなエールの飲み会成人式 特別コースメニュー

「季節野菜のエール漬けピクルス」(左手奥)

「白レバーのパテ オレンジエクメック」(左手前)

「ハッセルバックポテト ガーリックバター風味」(右手奥)

「窯焼きローストチキン」(右手前)

「ナポリタン スパゲッティ」(中央奥)

スタッフによるビールの特徴やペアリングに関するワンポイントアドバイスを聞きながら、参加者の大学生はじっくりとビールの香りや味わいを楽しんだ。「黒ビールの『東京ブラック』とバニラアイスを合わせると、バニラアイスの甘味が黒ビールの苦みを抑制することで、コーヒーのようなロースト香が際立ちます」などのペアリングに関する説明を聞きながら、次に何を飲もうか考えたり相談したりと、楽しそうな時間を過ごしていた。

今回のイベントに参加したクラフトビール好きの大学生は「普段はまわりの友達とクラフトビールの話をする機会があまり多くないので、クラフトビールの話を思う存分できたのは楽しかった。このようなイベントをきっかけに、もっとクラフトビールを多くの大学生に知ってもらいたい」とのこと。クラフトビールを飲んだことがないという大学生は「普段の飲み会はがやがやと騒がしい大衆居酒屋でワイワイ騒いで飲むことが多いが、こういう落ち着いてお酒を飲める雰囲気のお店だと、少し込み入ったオトナの話ができそう。普段飲んでいるビールは一気に飲まないとおいしくないが、今日飲んだビールはゆっくり味わって飲める」との感想だった。

 

◆時代遅れの飲み会をアップデート

会の最後は、今回の「飲み会成人式」の体験を踏まえ、参加者がそれぞれ自分なりに「心から楽しめる飲み会の形」を考える。「それぞれの自由がぶつからない飲み会がいい。誰かのやりたいことが誰かを強制しない飲み会」、「心許せる友人と、おいしいお酒とおいしいごはんを自分のペースで満足できるくらい食べられたら」などの答えを、それぞれの思いとともに発表し、会はお開きとなった。

会を終えて、企画に関わった大学生メンバーに感想を伺った。醸造学を専攻しているやぐっちゃんは、「お酒のおいしさと、飲み会の楽しさをもっと伝えたいと思って今回の企画に参加しました。お酒を通してコミュニケーションがいろいろ生まれる。初めてあった人とも仲良くなれる。そのことを今回のイベントで少しでも同じ大学生に伝わっていれば嬉しいです」と熱く語ってくれた。

同じく大学生メンバーで「ごちそう会」の代表である野並くんは「飲み会の参加者に不満がある状態でいいコミュニケーションは生まれないと思っています。特に今回のように初対面同士の場合は、おいしい料理やお酒が会話を盛り上げてくれるそう感じます」と、成功の手ごたえを感じているようだった。

最後に、今回の企画の代表を務めたヤッホーブルーイングのまるちゃんにインタビューを行い、イベントに対する思いを語ってもらった。

「もともと『若者のビール離れ』という世間の風潮に違和感を感じているんです。今回のイベントへ向けての調査でも、ほとんどの学生が飲み会に参加して、お酒をちゃんと飲んでいるんですよね。でも『ごはんやお酒がおいしくない』、『コスパが悪い』という意見が出てくるのは、若者の価値観が変わってきているのに飲み会が昔と変わっていないからではないかと」

必要なのは「飲み会のアップデート」であるという。

「クラフトビールという新しい楽しみ方を提供できるツールを通して、こうした現状を変える啓蒙活動ができるのではないかと思って企画を進めてきました」

今回、大学生と一緒にイベントの企画を進めて感じたことがあるか聞いてみた。

「価値観変わってきているんだなあというところが一番にあります。がぶがぶ飲んで酔っ払ったりだとか、コールしてイッキしてという飲み方をしている大学生がすごく減っていたり、「そういう飲み会は20歳で卒業しました」という話を聞くと、私たちが大学生の時代は、飲み会ってそういうものだからと、ある意味思考停止していたように思ってしまいます。今の大学生はそうでなく、課題感を持ってアクションして変えようしている話を色々聞けて正直驚きでした。どちらかというと学生の価値観に企業側が追い付いていないのではないかという感覚を持ちましたね

今後も若者をターゲットに何か仕掛けていくのだろうか。

「私たちのビールはコンビニなど比較的身近なところに置いてあるビールなので、『普段の飲み会を変える』というところに貢献できるのではないかと考えています。それに、今回のイベントを進めていく中で、ストーリーを求めている学生が多いという点も分かってきました。そのビールのスタイルがどういう国で生まれて、なぜそのような香味になるのかなどの知識を持ち帰りたいという姿勢を見ていて、感度が高い若者が多いなあと。この点についてもクラフトビールとの親和性が高いと思います。今回のイベントを通して若者への手応えを感じているので、引き続き何かやりたいなと考えています。まだ具体的なところは決まっていませんが」

今回のイベントの参加者や企画に関わったメンバーの話を聞く限りでは、大学生の間でも着実にクラフトビールのファンが増えている。今後もヤッホーブルーイングがどんな仕掛けを打って、クラフトビールシーンを盛り上げてくれるのか楽しみである。

『忘年会スルー』など、職場の飲み会に参加しないという社会現象が広がっている。その一方で企画に関わった大学生メンバーのように、飲み会に関する問題意識と主体的に改善を行う行動力を持っている若者を見ていると、今後の活躍に大きな期待を抱いてしまう。これから飲み会を変えていくのは、このような令和の大学生たちなのかもしれない。私たちも普段の飲み会を見直して、アップデートできるところはないか考えてみてはどうだろう。

よなよなエールの飲み会成人式に参加した大学生たち。お土産にもらった「よなよなエール」を片手に持っての記念撮影

【外部リンク】

ヤッホーブルーイング:https://yohobrewing.com/

ごちそう会:http://gochikai.com/

 

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ミシオ ユウキ

この記事を書いたひと

ミシオ ユウキ

ビアジャーナリスト/日本ビール検定 びあけん1級

海外ビールに興味を持っていろいろ試し飲みしているうちに、オルヴァルやデュベルなどのベルギービールの美味しさに衝撃を受け、多様なビールの世界にズブズブとはまって今に至ります。
普段は東京の西側でおいしいビールを探して彷徨い歩くことが多く、最近はカメラを首からぶら下げてビールのおいしいお店を訪問しては、サービング動画を収集中。
ビールを通して地域志向、地元密着型の情報発信を行っていきたいと思います。

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