[コラム,ビアバー,ブルワー,新商品情報]2020.11.5

【ミロクブルワリー】うどん県のうどんビール【四国麦酒遍路 第1番泡所】

うどん県民の魂はうどんだけじゃない!?

うどん県出身の筆者(Phantom Zebra)による四国ビール探訪がゆるゆると始まります。

「四国」と云えば、香川、愛媛、徳島、高知、かつての令制国で云えば、讃岐、伊予、阿波、土佐ですね。生まれてから一度も四国に渡ったことがないという方、まだまだ多いんじゃないかと思います。四県合わせても400万人にも満たない島ですが、クラフトビール文化は着実に芽吹きつつあります。四国麦酒遍路では、そんな四国で培われたビールについて、筆者の独断と偏見で皆さんに紹介していきたいと思います。
四国と云えば「お遍路さん」、四国八十八か所霊場巡りも有名ですね。このコーナーではあえて『讃岐、伊予、阿波、土佐』と表記し、「札所」を『泡所』と置き換え、お遍路さんになった気分で参りましょう。

記念すべき第1回は、筆者の故郷でもある讃岐の中讃エリアにフォーカス。

中讃エリアは、瀬戸大橋の讃岐側の玄関口、有名なこんぴらさんや丸亀城、讃岐富士の愛称で親しまれている飯野山など、ため池や小さな山が織りなす讃岐平野らしい長閑な風景が広がります。
そんな場所に面白いうどん、いや、ビールが誕生したのです。

爆誕!うどんビール

うどんIPA ~旋風~

コロナ禍の中、ありそうでなかった『うどん』を使ったビールが誕生しました。
その名も『うどんIPA ~旋風~
分かり易く、とてもカッコいいネーミングですね。
うどん県民ならずとも、思わず飲んでみたくなります。

このビールは、丸亀市が誇るマイクロブルワリー『ミロクブルワリー』と、筆者も大好きな三豊市高瀬の大人気うどん屋さん『本格手打ちうどん もり』とのコラボレーションにより生み出されました。

実際にもりで提供しているうどん玉を使っており、うどんIPAと呼ぶに相応しいレシピ。
うどん玉の主原料は小麦ですから、そもそもビールとの相性は良いはず。
コロナで動けない折、居ても立っても居られず、まずはお取り寄せして飲んでみました。

柑橘感溢れるホッピーなアロマ
期待を胸に口に含むと
まるでうどんを食べているかのよう
ってな訳はなく、しっかりIPAの味わい
スムースなフルーティーフレーバーは
もしかしたら、うどん玉の小麦由来かも
舌の上に柔らかく感じる苦みもあり
バランスの良いスッキリした仕上がり

取り寄せて飲んでみて、やはり現地で飲んでみたい
このビールを作り出した人たちに話を聞いてみたい
そう思いながらやっと訪ねる機会を得ることができました。

うどんビール誕生秘話

10月初旬、はやる気持ちを抑え8ヶ月ぶりの讃岐へ。
ミロクブルワリー代表の岩城知明氏(以下、岩城氏)、本格手打ちうどんもり代表の森圭介氏(以下、森氏)にうどんIPAについて色々と語っていただきました。

――何故、うどんIPA?『うどんIPA 旋風』に取り組む切っ掛けは何だったのでしょう?

岩城氏:コロナ禍で遅れていたカマタマーレ讃岐の開幕戦のお祝いと応援に何かできないかとサポーターの方から相談があり、以前から作ってみたかったうどんビールが頭に浮かびました。サポーターからは単純にビールを作って欲しいとの相談で、うどんありきではなかったのですが、カマタマーレ繋がりでうどんがイケるんじゃないかと。どうせ作るなら、まだ醸造したことのないニューイングランドスタイルに挑戦しようと。そして、うどんを使うならカマタマーレ讃岐のサポーターでもある森さんしかいないと、以前から漠然とそう考えていました。

森氏:最初に岩城さんからは、茹で残りのうどんを使えばサステナブルで良いんじゃないかとの話でしたが、自分としては残り物じゃなく、精魂込めて打ったホンマモンのうどんでやりたいと即答しました。まずは、綺麗なうどんで作りたかった。

うどんとビール、戦うフィールドは違えども、息ぴったりの二人

――目指した味わいは?イメージ通り?

岩城氏:ファーストバッチはスッキリしていて濁りが少なく、狙った感じとは違ったけど、ドリンカブルで綺麗なビールに仕上がった。10/8から提供している現在のセカンドバッチは、オーツ麦の挽き方を変えたりして、しっかりニゴニゴのニューイングランドスタイルに仕上がった。アロマもフレーバーもイメージ通り、トロピカルで華やかでスムースな飲み口。

うどんIPA 旋風のセカンドバッチ。ファーストバッチよりかなりヘイジー。

――うどん玉はどのように利用していますか?

森氏:ビールのために打った普通のもりうどんを60玉(1玉250gなので15㎏)用意し、茹で立てをペーストにしたものを500Lの麦汁に投入しました。

――初めての試みで大変だったことはありますか?

岩城氏:まず、使ったことがない副原料なので、うどんを入れるタイミングに悩みました。そして、やはりうどんにはたんぱく質も多く、詰まりやすい点には苦労しましたね。発酵フェーズに移っても、発酵が途中で止まってしまい、追い酵母を投入したりと、一晩寝ずに愛情を込めて完成に至っています。

――苦労して完成したうどんIPA、お客さんの反応はどうでしたか?

岩城氏:開幕戦の時にTVを流して大勢のサポーターに飲んでいただきましたが、香りが良く、飲みやすいと大変好評でした。

森氏:元々うどん屋の冷蔵庫に、大好きなジャマイカのビールを趣味で置いてたりしてたんですが、うどんIPAを置いたら結構すぐに売り切れて驚きました。特に女性に人気がありますね。

――今後の展開について、何か構想があれば教えてください

岩城氏:ファーストバッチはすぐに売り切れてしまい、現在はセカンドバッチを提供中ですが、今後も森さんとのタッグでレギュラービールとして考えています。小麦繋がりで『うどんヴァイツェン』なんかもネタとしてはあったので、今後はほかのスタイルにも挑戦した、うどんビールのシリーズ化も視野に入れています。

森氏:他のメーカーのうどんを使った旋風も飲んでみたい。うどん違いでどれだけ味の違いが出るのか興味があります。今後はうどんとビールのイベントがあるかもしれません(笑)

最後に二人揃ってうどんIPAをエア飲み。表情豊かでお茶目な二人だからこそ醸し出せる味わい。

終始和やかな雰囲気の中、うどんビールへの愛とお二人の愛、いや仲の良さが伝わってくる素敵な時間でした。この二人から始まったうどんビールの世界、どこまで広がっていくのか楽しみでなりません。

これから温かいうどんが美味しくなる季節、皆さんも冷たいうどんビールを片手にうどんを啜ってみませんか。

◆ミロクブルワリー岩城氏略歴
株式会社ドットライン
代表取締役 岩城知明 35歳
中学校まで岡山県倉敷市にて育つ。
中学卒業後、高松高専入学の為、単身で香川へ移住。
卒業後、丸亀の造船業に就職。
29歳で会社を辞め、お酒の世界で生きていくことを決意。
当時、丸亀にあるオールドウィスキーの聖地、サイレンスバーにてウィスキーの世界にドップリと浸かっていたのでバーを開くことを目指す。修行先のバーに世界のビールもあり、徐々にビールの世界に傾倒していく。ビアテイスター、ビアジャッジの資格を取得。造りの勉強を掘り下げていくに当たり、丸亀にてブリューパブの開業を決意し今に至る。

◆本格手打ちうどんもり森氏略歴
大将 森圭介 34歳
産まれも育ちも讃岐。
高校卒業後、辻学園調理専門学校入学の為、大阪へ。
卒業後、大阪ミナミにある料亭へ板前見習いで入る。
一人前の板前になる為に強い気持ちを持ちながら厳しい修行に耐えながら日々を送っていたが、入社2年目の時、突然店が閉店。それを機に讃岐に戻る。将来の進むべき道を考えていた時、高校時代のバイト先のうどん屋の社長から本気でうどんをやってみないかと声をかけられ、うどん職人の道に進み、5年間の修行を得て29歳のとき本格手打ちうどんもりを開業。今に至る。

【BrewPub情報】

シックでスタイリッシュな店内。天井は高く開放的な空間。奥に浮かび上がる醸造スペースの景色もセンス抜群。

店名:ミロクブルワリー (MIROC Brewery)
住所:香川県丸亀市北平山町2-5-15(JR丸亀駅から徒歩9分)
電話番号:0877-43-7067
営業時間:14:00~22:00
(フードラストオーダー21:00、ドリンクラストオーダー21:30)
定休日:月曜日
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
Web:https://www.miroc-beer.com/
最寄札所:四国霊場第78番札所『郷照寺』ミロクブルワリーから3.4㎞/徒歩43分/0.8パイント分
※体重60㎏、時速5㎞、1パイント473ml190kcal換算

【うどん店情報】

閉店後の静かな外観。お昼時はもりうどんファンの笑顔でいっぱい。

店名:本格手打ちうどん もり
住所:香川県三豊市高瀬町下麻678‐2
電話番号:0875-74-6755
営業時間:10:00~15:00(麺が無くなりしだい閉店)
定休日:火曜日(祝日の場合は翌日の水曜)
※新型コロナウイルス感染拡大により、営業時間・定休日が記載と異なる場合がございます。ご来店時は事前に店舗にご確認ください。
Web:http://www.udonmori.com/
最寄札所:四国霊場第70番札所『本山寺』もりから7.3㎞/徒歩1時間30分/1.7パイント分
※体重60㎏、時速5㎞、1パイント473ml190kcal換算

四国麦酒遍路🍺泡所一覧

第2番泡所:DD4D BREWING(伊予国)https://www.jbja.jp/archives/31795
第3番泡所:今治街中麦酒(伊予国)https://www.jbja.jp/archives/31796
第4番泡所:Mukai Craft Brewing(土佐国)https://www.jbja.jp/archives/34738
第5番泡所:TOSACO(土佐国)https://www.jbja.jp/archives/34739
第6番泡所:大三島ブリュワリー(伊予国)https://www.jbja.jp/archives/34740

Miroc BreweryうどんうどんIPAクラフトビールミロクブルワリー四国麦酒遍路旋風本格手打ちうどん もり

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

アバター画像

この記事を書いたひと

Phantom Zebra

ビアジャーナリスト/ビアジャッジ/出張料理人

福岡県生まれ、饂飩県育ち、東京で麦酒覚醒
30年間趣味で饂飩を打ち続けてきた元サラリーマン
現在、出張料理人 Phantom Zebra として活動中
ビール × 食 × ? = 楽しさ!を追及
ビアジャッジを取得し、日々ビールを勉強中
イベリア半島、映画、ラーメン、スパイス、行脚
城、滝、高層ビル、ドライブ、動物、虫、等々
大好きなことが一杯で体が三つ欲しいです
特技、麦芽カス饂飩、麻婆豆腐、カレー、神出汁
新たなビールの世界、一緒に創り出しましょう!

ストップ!20歳未満者の飲酒・飲酒運転。お酒は楽しく適量で。
妊娠中・授乳期の飲酒はやめましょう。