[テイスティング,ビアバー,ブルワー,新商品情報]2021.2.28

【Far Yeastの新たなる挑戦】Hop Frontier Juicy IPA 新発売!

暦は如月、河津桜が咲き誇り梅見頃を迎えるなど、春の足音も聴こえ始めました。
冷たいビールがもっともっと美味しくなる季節がすぐそこまで迫っています。
そんな折、Far Yeast Brewing株式会社(以下FYB)から3月3日に発売される新商品
Far Yeast Hop Frontier Juicy IPA

Far Yeast Hop Frontier Juicy IPA。シズル感満点!(写真はFYB提供)

FYBと云えば、和の馨るエール「馨和 KAGUA」、東京 Tokyo をテーマにした「Far Yeast」、そして、イノベーティブなビール造りに挑戦する「Off Trail」という3つのクラフトビールブランドを展開するクラフトブルワリー。これまでにも挑戦的なビールをいくつも発売していますが、今回も新たなテーマを掲げて新領域に挑んでくれました。

最新のホップ理論と先進的な醸造手法を日本でいち早く実践し、旬なスタイル「Juicy IPA」の新境地を開くべく発売された『Far Yeast Hop Frontier Juicy IPA』。今回の記事では、2月25日に開催されたオンライン試飲発表会でFYB代表取締役 山田司朗氏によって公開された情報や実際に店舗で飲んでみた感想を皆さんにお届けします。

『Far Yeast Hop Frontier Juicy IPA』の位置づけとは?

3つのブランドを抱えるFYBに於ける今回の新商品の位置づけは少し分かりにくいかもしれません。元々ある3ブランドと同等の新ブランドではなく、Far Yeastブランドの新レギュラー商品的位置づけのようです。飲み手にとって美味しければブランドなんて関係ないという方もいますが、ブランドに期待する飲み手が存在するのもまた事実。丁寧にブランドを作りこむFYBだからこそ、今回の挑戦には興味が湧くというものです。
華やかな飲み口に高いクオリティを備えたFar YeastブランドにHop Frontierという新たな柱が誕生し根付いていけば、更に充実したラインナップが形成されるでしょう。将来を想像するだけで期待に胸が膨らみます。

FYBが手掛ける3ブランド。Juicy IPAは真ん中のFar Yeast ブランドに投入された新レギュラー商品候補という位置づけ。(写真はFYB提供)

Far Yeastブランドの新レギュラー商品ということは、ドリンカブルで美しい香りを狙ったものであることは伺い知れますが、それ以外のテーマは何だろう?と気になります。名前から推察するに、ホップの開拓者であれ!といった気概が感じられますが、その詳細について次項で紹介します。

『Far Yeast Hop Frontier Juicy IPA』のテーマとは?

今回の商品開発の一番のテーマを一言で表すと「最新のホップ理論に基づくビール造り」。
これまでも理論に基づき醸造技術を磨いてきたFYBがここまで言い切るには訳があります。
クラフトビールを取り巻く状況が急速に変化していく中、将来の新たなスタンダードとなるビールを作るべく、新しいビアスタイルや醸造技術を常にウォッチし、国内外のホップサプライヤーと積極的に交流しながら研究を重ねてきたFYB。特筆すべきは、2019年から取り組んでいる、世界的なホップサプライヤー Yakima chief Hops®(アメリカ・ワシントン州、以下YCH)のホップセレクションへの参加。日本のクラフトビールメーカーとして唯一参加し、ホップの収穫・加工現場の視察等生産者とも交流を深め、今では生産者からの直接買い付けも行っています。
このような取り組みを続けてきたからこそ、このテーマには凄みがあります。

最新のホップ理論に基づくビール造りとは?

これまで難しいとされてきた様々な香気成分を最大限に引き出した、「今までにない香りに出会える」Juicy IPAと謳われている本商品。一体どんなカラクリなのか?紐解いてみましょう。
ホップの香気成分は醸造工程で多くが失われていきます。また逆に生み出される香気成分も存在します。
今回のアプローチでは失われるものを最小化、生み出されるものを最大化するロジックを構築し実践しているのです。

左、オンライン試飲発表会で笑顔で説明する山田司朗氏。右、オンライン試飲発表会用に用意されたJuicy IPA。ロゴやデザインには「実験的」「サイエンス」「先進性」といった科学的アプローチをイメージ。

失われる香気成分の最小化については、YCHが数年にわたる研究で、醸造工程を経て完成したビールの中でアロマに貢献する成分「Survivables」に着目し、その成分を最適化したホッププロダクトが寄与しています。
その名も『TRI-2304CR』、可溶性(液体への溶け込みやすさ)を最大化し、ビールの最終製品にフルーティーで完熟したジューシーなアロマを香り高いまま残すことを可能にする新ホッププロダクト。なんと、FYBでの使用が日本初。さらに、YCHが開発した最新ホップTarusをTRI-2304CRと組み合わせることによって、ダイナミックでフルーティーなアロマの引き出そうとしています。そして、これらホップの添加量や加えるタイミングなどを確立し実践。これからも完成品からのフィードバックなどを経て更なるブラッシュアップを図っていくとのこと。

厳選したホップ品種とホッププロダクトを一早く導入できたことは、FYBとYCHとの関係性構築による成果とも言えるでしょう。

一方、生み出されるものの最大化については、酵母が発酵中にホップ成分と反応する際の化学変化「バイオトランスフォーメーション」に注目し、ホップだけでは作り得ない、よりユニークなアロマやフレーバーの成分を期待して、酵素活性の高い酵母の選択を行っています。

五反田直営店で実際に飲んでみた!

オンライン試飲発表会の興奮冷めやらぬまま、先行開栓された五反田直営店「Far Yeast Tokyo Brewery & Grill」に突撃、早速樽ビールを味わってきました。

記念すべき五反田直営店最初のJuicy IPA。美しいビールがみるみる満たされていきます。

【テイスティングノート】
外観は薄いゴールドに弱めの濁り
アロマは豊潤で瑞々しく、フルーティーさが凄い
パイナップル、オレンジ、マンゴー、少しグラッシー
豊かな香りに感動を覚えるほど
口に含むとアタックはまったりジューシーなフレーバー
さらにグラッシー、優しめのパイニーな風味が続き
フィニッシュに掛けて甘味がスーッと引いていく
舌の上に残るのは、程よい苦味と旨味の余韻
アルコール感を忘れさせるスッキリした飲み口

オンライン試飲発表会で缶製品を飲んだ時にも感じましたが、とにかくアロマが豊か。それに対して落ち着いた味わいのフレーバー。ビール単体としては勿論、食中酒にぴったりな華やかで飲み易いビールにも仕上がっています。

Juicy IPAと生ウドと八朔のマリネをペアリング。左後ろのビールは Gotanda Smash。

今回ペアリングしたのは
3月3日の発売日に正式デビュー予定の『生ウドと八朔のマリネ』。
旬の生ウドに八朔、そして鶏ムネ肉、ラディッシュ、クレソンが和えられた季節感溢れる一皿。
狙って作っているとは云え、これが本当にナイスペアリング!
ふくよかながら優しい味わいのJuicy IPAに対して、程よく効かせた酸とオイルが味の輪郭を際立たせ、旨味の相乗効果も演出してくれます。今の季節に合わせるべき逸品です。

クラフトビール初心者からビアギークまで楽しめるクリアで懐の深い仕上がり。

お近くの方なら、Juicy IPAのデビューは五反田直営店、イチオシです!

【商品概要】
商品名:Far Yeast Hop Frontier Juicy IPA
販売方法:15L樽 / 350ml缶
販売開始日:2021年3月3日(水)※Web Storeにて予約受付中!
原材料:麦芽、ホップ、糖類、コリアンダー
スタイル:Juicy IPA
アルコール度:6.5%
IBU:30
品目:ビール
醸造所:​Far Yeast Brewing 源流醸造所
先行発売:下記各直営店では先行開栓済み
・五反田直営店(東京醸造所)Far Yeast Tokyo Brewery & Grill
・熱海直営店 Yakiniku & Craftbeer 田(den)
・福岡直営店 BEER HOLIC
※五反田直営店は缶商品も数量限定先行販売中

【店舗詳細】
店舗名:Far Yeast Tokyo Brewery & Grill
(ファーイーストトーキョーブルワリー&グリル)
住所:東京都品川区西五反田1-15-6
営業時間:平日11:30~15:00 17:00~23:00 土日11:30~23:00
<3月7日までは下記時間にて営業中 ※状況により変更になる可能性があります>
平日・土日共に11:30~20:00(L.O.19:00)
定休日:無休
座席数:最大105席(店内75席 テラス席30席)
※当面は座席数を減らして営業

Instagramはこちら→https://www.instagram.com/faryeasttokyo/

※写真はFar Yeast Brewing ㈱ 提供

【Far Yeast Brewing株式会社について】
“ Democratizing beer ”-「産業化によって画一的な大量生産商品になってしまったビールの多様性と豊かさをもう一度取り戻す」というミッションのもとに展開。和の馨るエール「馨和 KAGUA 」、東京 Tokyo をテーマにした 「Far Yeast」、そして、イノベーティブなビール造りに挑戦する「Off Trail」という3つのクラフトビールブランドを展開しており、個性あふれるビールを世界へ向けて発信しています。

ホームページはこちら→https://faryeast.com/
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Instagramはこちら→https://www.instagram.com/faryeastbrewing/
Twitterはこちら→https://twitter.com/faryeastbrewing

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

Phantom Zebra

ビアジャーナリスト/ビアジャッジ/出張料理人

福岡県生まれ、饂飩県育ち、東京で麦酒覚醒
30年間趣味で饂飩を打ち続けてきた元サラリーマン
現在、出張料理人 Phantom Zebra として活動中
ビール × 食 × ? = 楽しさ!を追及
ビアジャッジを取得し、日々ビールを勉強中
イベリア半島、映画、ラーメン、スパイス、行脚
城、滝、高層ビル、ドライブ、動物、虫、等々
大好きなことが一杯で体が三つ欲しいです
特技、麦芽カス饂飩、麻婆豆腐、カレー、神出汁
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