[コラム,ブルワー]2022.4.6

【川口・R-122】『映画 翔んで埼玉』の名言「口が埼玉になる」を真面目にビールで考える③

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国道122号線

国道122号線。
栃木県日光市を起点として、群馬県、埼玉県を経て、終点となる東京都豊島区の「西巣鴨交差点」に至る一般国道だ。
あなたはこの「国道122号線」という文字を何と読むだろうか?
もちろん、「こくどうひゃくにじゅうにごうせん」と読むのが正解だ。

もし、この文字を「ワンツーツー」と読む方がいたら、その方は埼玉県かその付近に縁のある方に違いない。
一部で「相手が埼玉県人か否かを一発で見抜く質問」ともいわれているこの質問。
ちなみに、埼玉生まれ埼玉育ちの筆者のまわりには、国道122号線を「ワンツーツー」以外で呼ぶ者はいない。
埼玉県の東部を南北に通る国道122号線は、埼玉県人にとって、特に東部に住む者にとって馴染みの深い国道なのだ。

私は「口が埼玉になるビール」を探求している身だ。
「口が埼玉になる」とは、2019年に大ヒットした『映画 翔んで埼玉』に登場する名言に倣ったものだが、国道122号線の名を持つビールがあるとすれば、当然、無視するわけにはいかない。
今回は埼玉県川口市にある『GROW BREW HOUSE』が造る【R-122】を紹介しよう。

西川口を楽しくする『GROW BREW HOUSE』

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GROW BREW HOUSE

西川口駅西口から徒歩3分。
「ビールを育て、まちを育て、人を育てる。人的交流の潤滑剤を作る“まちのビール醸造所”」という想いを込めて、『GROW BREW HOUSE』は2019年3月にオープンした。
目標の1つに“西川口のまちが楽しくなること”を挙げ、併設されたタップルームには近隣のお店でテイクアウトした料理が持ち込めるのも特徴的だ。

2022年3月26日の3周年イベントにも、多くの方が祝福に訪れ盛り上がったのは記憶に新しい。
今日もタップルームにはビールと西川口を愛する方々が集まり、気軽にビールと会話を楽しんでいる。
『GROW BREW HOUSE』は、そんな“まちのビール醸造所”だ。

また、『GROW BREW HOUSE』から歩いて2分の場所にある『CASK AND STILL』では、『GROW BREW HOUSE』で造ったリアルエールが楽しめる。
450種を超えるウイスキーを取りそろえる本格的なバーで飲むリアルエール。
こちらも是非オススメしたい。

【R-122】が教えてくれる国道122号線

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国道122号線と【R-122】

【R-122】は、『GROW BREW HOUSE』常連客の中でもファンの多いビールの1つだ。
スタイルはウェストコーストIPA。
ABV7.5%。
明るく美しい銅色と、柑橘類やみずみずしい若草の香り。
ホップの強い苦み、モルトの力強い存在感が飲みごたえ十分でありながらもドライな味わい。
【R-122】は、実に表情豊かなビールだ。
そして我々に、国道122号線のことを雄弁に語りかけてくれる。

「銅街道」を想起させる液色

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美しい銅色の【R-122】

【R-122】の明るく美しい銅色は、我々に国道122号線の歴史を教えてくれる。
国道122号線の始点となる栃木県日光市には、江戸時代後期より日本最大規模の銅鉱山として栄えた足尾銅山がある。
足尾銅山は、閉山した後の現在も、「足尾銅山跡」として国の史跡に指定されている歴史的な銅鉱山だ。
当時、足尾銅山で採掘された銅を江戸浅草へ運ぶ為に、利根川水系の水路が使用されていた。
そして、足尾銅山のある栃木県日光市から、群馬県と埼玉県の県境を流れる利根川水系まで銅を運ぶために開かれた街道が「銅(あかがね)街道」だ。
当時の「銅街道」は使われなくなり荒廃してしまったが、現在も国道122号線の一部区間には、「銅街道」の名が残っている。

都会と田舎をつなぐ香り

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柑橘類と若草の香りが特徴の【R-122】

柑橘類やみずみずしい若草の香り。
【R-122】が持つ特徴的な2つの香りは、国道122号線がつなぐ街と街の景色のようだ。
華やかな柑橘類の香りは、洗練されてはいるものの、流行の最先端をいくような派手さとは違う。
どこか親しみやすく、身近な都会を感じる。

みずみずしい若草の香りは、緑豊かな田舎のようだ。
草花や樹木の新芽が芽吹く春から、徐々に色濃く成長していく夏にかけて、緑豊かな田舎の景色はこの時期からどんどん表情を変えていく。
国道122号線は、栃木県から群馬県、埼玉県を経由して東京都まで、1都3県をまたぐ道路だ。
東京都内は、流行の最先端をいく港区や渋谷区・中央区ではなく、埼玉県民にとって馴染み深い北区と豊島区だけを通る。

【R-122】の香りをゆっくりと吸い込み、目を閉じてみよう。
都会的な街から田舎の風景まで、国道122号線走行中に目に飛び込む、様々な景色が浮かんでくるようではないか。

【R-122】は「口が埼玉(東部)を駆け抜けるビール」

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国道122号線と【R-122】

「口が埼玉になるビール」というテーマではあるが、国道122号線は埼玉県のみならず、東京都、群馬県、栃木県にまたがる。
埼玉県内は都会的とされる川口市やさいたま市から、緑豊かな蓮田市、白岡市、久喜市、加須市、羽生市を通過する。
そして、国道122号線を走行中に、車窓から見えてくる景色をイメージさせるビール。
間違いない。
【R-122】は、「口が埼玉(東部)を駆け抜けるビール」だ。

とはいっても、ビールの感じ方は十人十色。
あなたは【R-122】を飲んでどう感じるだろうか?
大人気が故、今回の醸造分の樽生はすでに完売だが、瓶はまだ多少の在庫があるという。
見かけた方は是非、お試しいただきたい。

『GROW BREW HOUSE』
公式サイト:http://home.att.ne.jp/alpha/caskandstill/grow_web/index_grow.html
所在地:埼玉県川口市西川口1-25-8 近藤ビル 1F
営業時間:月-金 17:00-23:00 土日祝 15:00-23:00
定休日:なし

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

南原 卓也

ビアジャーナリスト/樽生アドバイザー

「今日1日をどう生きれば、より美味いビールが飲めるか?」

こんなことを考えながら毎日生きてます(飲んでます)。

埼玉県にある“日本一小さい市”で生まれ育った男が、飲食店の樽生ビールの品質を上げる仕事、飲食店にビールを卸す仕事を経て、ビールを伝えるビアジャーナリストになりました。

「醸造家がビールを醸造し、ビールの注ぎ手がビールを完成させる。そしてビアジャーナリストがビールを伝える。」
をモットーとして、“美味いビールが飲める環境”や“ビールとコミュニケーション”を追求していきます!

今日も美味いビールを飲めましょう!
乾杯!

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