[テイスティング]2013.10.5

コピ・ルアクを使ったインペリアルスタウト「Speedway Stout」―ビアレポート(35)

「限定」という言葉を作り出した人はすごいと思う私です。

「希少」や「残りわずか」なども同様です。意味は異なりますが「おかわり自由」にもものすごく魅力を感じます。

「限定」だからといって必ずしも質のいいものとは限りませんが、世の中の人々がそれにとびついてしまうのも事実。実際にその言葉に惹かれて購入してみたら、「なんだこりゃ」と思うものもありますので、消費者側も見る目を養わないといけないんでしょうね。

さて、今回ご紹介するのは、前回ご紹介した「エールスミス(Alesmith)」の続編です。9月26日から発売になった5種類のうちのひとつ「Speedway Stout」の限定版。

「早速とびついたな」という声が各所から聞こえてきそうですが…。

「Speedway Stout」はコレ。

Speedway Stout

Speedway Stout

「Speedway Stout」のスタイルはインペリアルスタウト。ローストモルトの香ばしいアロマが特徴ですが、さらにコーヒーも使用しているのです。そのコーヒーはエールスミスと同じサンディエゴのコーヒー業者「ライアン・ブラザーズ」。この「Speedway Stout」自体素晴らしい味わいなのですが、このコーヒーを変えて造られたのが今回の限定版。

そのコーヒーとは「コピ・ルアク」。コピはコーヒー、ルアクはジャコウネコ。インドネシア語です。ジャコウネコは「麝香猫」書くようで、ジャコウネコから分泌される液は香水にも使われるそうです。そんなジャコウネコにコーヒー豆を食べさせて、糞から消化されなかった豆を取り出したものが、コピ・ルアク。コーヒー豆に独特の香りが加わるそうです。

で、コピ・ルアクを使用した「Speedway Stout」がこちら。

Speedway Stout(コピ・ルアク使用)

Speedway Stout(コピ・ルアク使用)

日本にはこの1本しか入っていないそうです。もうすでにかなり酔いがまわっており、「Speedway Stout」との飲み比べができなかったのが残念。やはりアルコール度数が高いだけあってキツさも感じますが、コーヒーのアロマがすばらしく、これだけでずっと飲んでいたいという気分になります。もちろん何かに合わせるのもいいですが、これだけでも十分です。

と、エールスミスお披露目会ではいろいろと楽しませていただきましたが、ハイアルコールなだけに結構酔ってしまいました。

私がこのビールを飲んでも猫に小判? いやいや、エールスミスの素晴らしさはよくわかりましたよ。

【BEER DATA】
Speedway Stout(コピ・ルアク使用)
生産地:アメリカ
醸造所:エールスミス
スタイル:インペリアルスタウト
アルコール度数:12%

アメリカインペリアルスタウトエールスミス

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

富江 弘幸

ビールライター

1975年、東京都生まれ。法政大学社会学部卒業後、出版社でライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学、英字新聞社ジャパンタイムズ勤務を経てビールライターとして活動中。ビアジャーナリストアカデミーの講師も勤める。

【著書】
教養としてのビール(サイエンス・アイ新書、SBクリエイティブ)
BEER CALENDAR(ワイン王国)

【執筆・監修】
和樂web(小学館)
Discover Japan(ディスカバー・ジャパン)
東京人(都市出版)
ビール王国(ワイン王国)
ビール大全(楽工社)
るるぶキッチンmagazine 秋冬号(JTBパブリッシング)
あなたのしらない、おいしいビール(cakes)
他多数。

【出演】
金曜たまむすび(TBSラジオ)
ちきゅうラジオ(NHKラジオ第1)
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Twitter:hiroyukitomie
Website: 地域とビール
Weblog: 地域とビールとブログと

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