[テイスティング]2015.7.4

【シリーズ☆鳥取のビール事情】鳥取にはまだないセブンイレブンに行ってきたのでそれだけでレポート

まろやかエールキリンセブンイレブン鳥取

逆手に取る。

これは、鳥取県民に求められる能力の一つである。日本一人口が少なく、新幹線も通っておらず、都会にはある様々なものがない。そんな状況下でも日々を快適に送るため、ないことを楽しむ姿勢が鳥取県民には必要とされる。県知事がかつて発信した「スタバはないがスナバはある」という名言はまさに象徴的だ(今はスタバもスナバもあるが)。“ないこと”を逆手に取る圧倒的な力を前に、僕は目頭が熱くなるのを禁じ得なかった。

今春、鳥取にないものの代名詞的存在だったセブンイレブンが、県への出店を決めるというニュースが駆け巡った。セブンイレブンができるだけで全国のトップニュースになるのである。記事はあくまでも真面目な体裁を保っていたが、おそらく記者は「またおいしい鳥取ネタみつけちゃった。プププ」と半笑いで書いたであろうことは容易に想像できた。

そんなセブンイレブンであるが、実際に県内にできるのは10月。キリンとセブンが組んで話題になっている「セブンゴールド まろやかエール <無濾過>」を手に入れることはまだできない。でも、飲んでみたい。僕はまろやかエール1本を買うためだけに、セブンイレブンへ行こうと思い立ったのである。

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米子から高速道路に乗って南下。セブンイレブンがある岡山県をめざした。

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最寄りのインターで下りると、まさかの1000円オーバー。「300円くらいかな」と高をくくっていた僕は、このとき初めて「馬鹿なことした…」と淡い後悔の念に包まれたのである。フォーカスが値段ではなく車内に合ってしまっているのは、この動揺のせいなのでご了承いただきたい。

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田んぼを超え、山道を走らせ…。

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ついに恋い焦がれたセブンイレブンに到着。東京に住んでいた頃、新しくできたコンビニがセブンイレブンとわかると、「ちぇ、またセブンか…近くにあるからもういいよ」と思っていた人間が2年後、店の看板や外観写真を物珍しげに撮るようになるのである。美空ひばりではないが「人生って不思議なものですね」と呟いてしまった僕を、誰も責めることはできないだろう。

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自動ドアが開くやいなや、お酒コーナーへ直行。福男も真っ青なスピードだったはずだ。そして、苦節1時間、まろやかエールの入手に成功した(お店の方に許可をいただいて撮影)。

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帰宅し、早速飲んでみる。

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開栓するとバナナのような香り。スタイルは明記されていないけど、ヴァイツェン風と言って差し支えないだろう。泡もこんもり。無濾過だけにいい感じで濁っている。一口飲むと、完成度の高さに驚かされる。奥ゆきのある味わいで美味だった。1時間かけて手に入れただけに「行列に並んだラーメンが美味いバイアス」がかかっている可能性は否定できない。だが、それを置いてもまた飲みたくなる味わいだった(今度は誰か送ってください)。

しかし、東京に住んでいたら、「セブンイレブンに行ってビールを買ってレビューする記事」なんて投稿しなかっただろう。鳥取には色々なものがない。そのわずかばかりの運の悪さを恨んだりせず、「鳥取人生って嬉しいものですね」と日々呟けるよう、逆手に取りながらポジティブに生きてゆこうと思う。

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※セブンカフェドーナツを我が家のお土産に買ってしまったことは内密にお願いします。

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この記事を書いたひと

矢野 竜広

ビアジャーナリスト

東京から鳥取に移住したフリーライター、ビアエッセイスト。
ビール好きが高じて、『ビールの図鑑』(マイナビ)の
執筆に携わり、さらには地ビール会社にも勤務。
ビールがある人生の素晴らしさを迷文で発信している。

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