[コラム,ブルワー]2020.5.30

友和貿易は飲む人が喜ぶ姿をイメージし、情熱をもてるブルワリーを届けるインポーター

kona brewing株式会社友和貿易

株式会社友和貿易。この企業名をご存知の方は熱心なビールファンだろう。ハワイ島に拠点を置く「KONA BREWING(以下、KONA)」の日本正規輸入取扱店だ。この他にもアメリカオレゴン州の「Full Sail BREWING」などビールで6社、ハワイのサイダー醸造所1社を輸入している。

しかし、創業時は中東地域への印刷関連機器を輸出する会社として設立。ビールとは関係のない会社だった。そんな彼らがなぜ輸入事業を始めたのか? どんなこだわりをもってビールと向き合っているのか? 営業を担当する酒井成治氏にお話を聞いた。

飲む人が喜ぶ姿をイメージできて、自分たちが情熱をもてるビールを扱う

「お客様が飲む場面をイメージして、喜ぶ姿を想像できる商品でないと扱いません」

これは同社が新しいビールを取り扱うときに大事にしていることだ。実際に現地を訪れて飲んでみて「美味しい」と思うだけではなく、飲んで感動できるレベルでないと輸入はできないという。

自分が納得できないビールを飲み手に勧めるわけにはいかないし、中途半端な思いは見透かされてしまう。そんなビールは誰も買ってくれない。「輸入をするブルワリーに対して情熱をもって取り組めることも重要な要素」と話す。

それともう1つ、「品質を維持する力」も輸入をするうえで大事だという。

海外から輸入するビールは、長距離輸送や税関審査などにより国内生産のビールと比べると飲み手の口に入るまでに長い時間を必要とする。飲まれるまでに品質が悪くなってしまうビールを扱うことは難しい。飲むまで味が保てるビールなのかを見極める必要がある。

当たり前のように飲んでいる海外ビールも、酒井氏をはじめとするインポーターの情熱があるからこそ美味しく味わえるのだ。

輸入しているブランド(2020年5月17日現在まで)【株式会社友和貿易ウェブサイトより】

ビール事業のきっかけは、1人の社員の出会いから

冒頭にあるように同社は印刷関連機器の輸出を手がける会社としてスタート。まったく異なる事業を始めたのはどんな経緯があったのだろうか。

「当時在籍していた社員が2000年に個人旅行でハワイ島にあるKONAの本社ブルワリーを訪れた際にビールの味に感激して、その場で弊社の創業者に輸入を直談判したことがきっかけです」

輸入時に大事にしている「輸入をするブルワリーに対して情熱をもって取り組める」という信念はここから生まれたのだろう。

しかし、当時KONAは創業5年目くらいの小規模醸造所であり、輸出ができるほどの生産量も対応力もなく、輸入事業はすぐには実現しなかった。

それから数年後、醸造所の拡大に伴い設備投資したことにより事業を拡大。輸出に対応できる生産能力を獲得していった。同時期、同社ではインターネットの普及により印刷物の減少が予測されていた。新たな事業を模索している時期だったこと、輸入を直談判したスタッフが熱心に会社を説得したこと、なによりも日本人にとって人気の高いハワイの商材であることから2003年頃から輸入をスタートした。

いくつものポジティブな要因が重なったこともあり、「社内からの反対は少なかった」という。

輸入開始から18年目を迎える現在、KONAと取引のある会社として国内外のブルワリーやインポーターからも認知され、「アメリカや南国系のビールを取り扱っている会社様からの声をかけられることも増えた」と話す。

日本語版KONA BREWINGウェブサイト【画像提供/株式会社友和貿易】

インポーターをしている方の話を聞いて、「難しい仕事」と感じるのが在庫のコントロール。船で輸送するため、注文をして直ぐに届くわけではない。遅すぎれば在庫を切らしてしまうことになるし、早すぎれば在庫を抱えすぎることになる。「鮮度が良い状態で在庫を動かせるか。仕入れの予測は難しいですね」。鮮度の良いビールを安定して飲むことができるのは彼らの努力があってこそなのだ。

現在、KONAの場合、瓶・缶が9割、樽が1割の割合で輸入をしている。樽の割合が極端に少ないのは、「樽のクオリティコントロールやトラブルに対応をできる経験が少なかった」と酒井氏。樽の取り扱いは2017年と意外にも歴史が浅い。

そして今、最も大きな問題なのが酒税だという。

「輸入ビールは、通関時に前払いをする必要があります。支払いをしないと商品を入れられない決まりがあります」

新型コロナウイルスの影響でイベントが軒並み中止となり、樽商品は提供する場を失っている。飲食店に販売したくても時短営業や座席数を少なくするなど客数が減っている状態のため、消費量が落ちて新しいビールを仕入れるタイミングが難しくなっている。

酒税を支払わないとビールを仕入れることができない。しかし、仕入れても消費する場所が少ないので在庫過多の状態になる。賞味期限もあるので、最悪廃棄することになるが、その場合も酒税は戻ってこない。輸入業者にとって厳しい状況になっている。

スタンダードなスタイルがもつ美味しさを日常的に楽しんでほしい

友和貿易の主力商品であるKONAは、通年で「BIG WAVE Golden Ale」をはじめとする5銘柄と季節ごとの限定商品を1銘柄(年間4銘柄)の輸入をしている。

その中で全体売り上げの6割を占めているのが「BIG WAVE Golden Ale」だ。しかし、2010年頃までは、日本のビールに慣れ親しんだ人たちからの人気は低く、同じ通年商品の「LONGBOARD Island Lager」が最も売れていた。同時期にレシピの変更が行われてからは幅広い層に飲まれるようになり、日本における主力商品に成長した。

日本国内で1番売れているのが、「BIG WAVE Golden Ale」だ【画像提供/株式会社友和貿易】

取り扱うラインナップについて「熱心なビールファンからするとビギナー向けのラインナップを揃えているので、物足りなさを感じるかもしれません」と控えめに話す。

筆者も正直、久しぶりに口にしたが、飲みやすく気づくと飲み干していて「個性的なビールも良いけど、スタンダードなビールもいいなぁ」と改めて思った。販売価格も海外ビールとしてはお手頃の値段であり、スーパーや酒販店のほか、オンラインショップでも買えるので、日常的に飲めるビールなのが嬉しい。

定番ビールの5液種。「GOLD CLIFF IPA」は、最近定番化した。【画像提供/株式会社友和貿易】

ビールを飲むだけでも楽しい時間を過ごせるが、良い機会なのでハワイの料理と合わせてみてほしい。

酒井氏におススメのペアリングを聞いてみた。

「特別な材料を用意する必要がなく、手軽に作れるロコモコはおススメです。簡単にハワイ気分を味わえます。ビールは、グレイビーソースがしっかりとした味なので、ボディがしっかりとした『FIRE ROCK PALE ALE』と合わせてみてください。

それとガーリックシュリンプもいいです。合わせるビールは魚介との相性がいい『BIG WAVE Golden Ale』で。ハワイのブルワリーでも評判のペアリングです」

自宅でつくるのは大変だなと感じる人は、KONA BEER JAPANのFacebookページで、「自宅で本格ハワイアン」と題してハワイ料理のテイクアウトが可能な飲食店を紹介している。住まいの近くに該当するお店があれば利用してみるのもいい。

Facebookページには限定ビールの情報も発信している。フォローしておくと最新の情報が手に入るので、気になった方はフォローしてほしい。

イベントの中止や飲食店の営業自粛によりとても厳しい状況の海外ビール。商品だけはなく文化も伝えてくれるインポーターの存在は重要だ。海外ビールにも目を向けていただければ幸いだ。

2020年5月28日(木)より期間限定商品「Mai Time WHEAT ALE」が発売を開始しています。詳細はこちらから。

【新商品情報】ハワイから日本上陸!インスパイアビア第2弾! KONA BREWINGから期間限定醸造第3弾!『Mai Time WHEAT ALE』が今日5/28(木)発売!今度はカクテル「マイタイ」がビールに大変身だ!?

◆株式会社友和貿易 Data

住所:〒150-0011 東京都渋谷区東3-15-7ヒューリック恵比寿ビル2階

電話:03-5766-5754

FAX:03-5766-8500

株式会社友和貿易ウェブサイト

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05007木暮 亮

この記事を書いたひと

こぐねえ(木暮 亮)

ビアジャーナリスト/ビールイベントプランナー

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは2000種類以上(もう数え切れません)。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」「うちの逸品いかがですか?」「Beerに惹かれたものたち」「ビール誕生秘話」「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

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【メディア出演】
<TV>
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<ラジオ>
●TBSラジオ「鈴木聖奈LIFE LAB~○○のおじ様たち~」
●JAPAN FM NETWORK系列「OH!HAPPY MORNING」
<雑誌>
●週刊プレイボーイ(2019年2月11日号) ●DIME(2019年4月号)●GetNavi(2020年2月号) ●週刊朝日(2020年6月12日増大号)
<Web>
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