[イベント,コラム,ビアバー]2024.2.6

「ブラッセルズ・ビア・チャレンジ2023」審査員・長谷川小二郎氏に聞く(2/3)海外でビールの審査員として活動する条件や交渉術

インタビュー前編では、審査員、特に世界で上位のビール審査会で審査員を務めるようになったきっかけやこれまでの経歴、さらには今回「ブラッセルズ・ビア・チャレンジ2023」に参加したきっかけについても聞きました。

インタビュー前編

―― 国際的なビール審査会で審査員としても活動するようになった経緯を教えてください。

長谷川小二郎 2008年2月にクラフトビア・アソシエーション(日本地ビール協会)のビアジャッジ資格を取得したことが始まりです。その年の春に「Asia Beer Cup, アジア・ビアカップ」、秋に「International Beer Cup, インターナショナル・ビアカップ」に参加して以降、ありがたいことに毎回審査員として招聘されてきました。2013年から海外からも審査員を招聘するようになって公用語が日本語から英語となり、英語での審査にも慣れていきました。そうして、2015年に「Australian International Beer Awards, オーストラリアン・インターナショナル・ビア・アワーズ」に審査員として参加し、初めての海外審査会への参加となりました。2014年秋のインターナショナル・ビアカップの審査員として際来日していたビル・テイラーさんに直談判して推薦人になってもらい、招聘を出してもらうことができました。彼は、オーストラリアのビール業界ではかなり名が知られており、英国で開催される審査会で世界で最も歴史ある「International Brewing Awards, インターナショナル・ブルーイング・アワーズ」で審査員長も務めている大物だったんです。2015年以降、コロナ禍の影響を除いて毎年、米国の「World Beer Cup, ワールド・ビアカップ」など出品数が多かったり歴史が古かったりする、世界上位の審査会を中心に参加してきました。

―― 「ビール界のオリンピック」と称され、出品数が世界最高につき最高峰のビール審査会であるワールド・ビアカップで審査員を務めた経緯を教えてください。

長谷川 まず、同大会公式サイトの問い合わせフォームから、審査員としての参加を立候補したいという旨の連絡を送りました。その後、参加条件として同大会での審査員経験がある3人を推薦人として集めるよう求められ、ビアジャッジ資格を取った日本地ビール協会に相談しました。すると、当時会長を務められていた小田良司さんが推薦人になってくれた上、「米国のブルワーにも推薦人になってもらった方がいい」と助言をもらいました。そこで、インターナショナル・ビアカップにも審査員として来たことがあるクリス・バードさんに依頼することにしました。来日時に審査員向けの講義もしてくれて、その内容に感銘を受けたということもあります。なかなか返事が来なくてひやひやしたんですが(笑)、なんとか推薦人になってもらいました。この際のやりとりは、今思い返せば彼への弟子入りを志願したようなものだったかもしれません。もう一人は韓国のクラフトブルワーになってもらいました。

――「ブラッセルズ・ビア・チャレンジ」への参加は初めてとのことですが、どのように招聘を受けましたか。

長谷川 それまでに2回、主催者にメールで参加したい旨を送ったことがありましたが、色良い返事をもらえていませんでした。しかしながら、2023年にブラジルで開催されたビール審査会「Brazilian National Beer Competition, ブラジリアン・ナショナル・ビアコンペティション」に来ていたブラッセルズ・ビア・チャレンジの責任者に会って直談判したところ、その場で快諾してもらえました。メールでのやり取りは不調に終わったことを一切話さなかったのが良かったのかもしれません(笑)。もしくは、対面したことがある人にしか招待を出さないのかもしれません。

画像提供 : ビア・コミュニケーション・イヴェンツ

後編では、「ブラッセルズ・ビア・チャレンジ 2023」の感想や審査したビールについて、さらには国際的な審査会における日本のビールの評価などについても貴重なお話をいただきました。

後編に続く

【長谷川小二郎のプロフィール】

執筆、編集、英日翻訳、ビール専門ZINE『ビールの放課後』発行人・編集長・主筆などを務める著述家。ブリュッセルで長谷川自身が体験した犯罪被害のルポおよび「海外でビールを楽しむための教訓10」が収録された臨時増刊号『青流、盾を奔れ ルポ ブリュッセルでの犯罪被害』のほか、ビールと料理を合わせる基礎理論が特集された『ビールの放課後 創刊号+有明本』など好評発売中。ビールに関しては、2012年から『Japan Beer Times』上級記者としてなどビールに関する取材・執筆活動を開始。 ビール審査員経験は、インターナショナルビアカップ(2008~)、オーストラリアンインターナショナルビアアワーズ(2015、2017)、ワールドビアカップ(2016、2018、2023)、ヨーロピアンビアスター(2018)、ジャパングレートビアアワーズ(2019~)、グレートアメリカンビアフェスティバル(2019)、ブラジリアンナショナルビアコンペティション(2023)、ブラッセルズビアチャレンジ(2023)など。 講師としての担当講座は、クラフトビア・アソシエーション(CBA、日本地ビール協会)「ビアコーディネイター・セミナー」、日本ベルギービール・プロフェッショナル協会JBPA「ベルギービール・プロフェッショナルベーシック講座」「ベルギービールKAISEKI(会席)アドバイザー認定講座」(テキスト執筆も)。 手掛けた書籍は『今飲むべき最高のクラフトビール100』(著・訳)、『クラフトビールフォアザピープル』『クラフトビールフォアザギークス』『ミッケラーの「ビールのほん」』(以上、翻訳)など。 日本ビール検定は7年連続1級合格、2022、2023年は首席。

【ブラセリー・シュルレアリストの詳細】

住所 : Pl. du Nouveau Marché aux Grains 23, 1000 Brussels, Belgium

営業日時 : 水曜日 17:00〜25:00, 木曜日 17:00〜25:00, 金曜日 17:00〜26:00, 土曜日 12:00〜26:00

醸造所見学ガイド(要予約):金曜日 17:30〜, 土曜日 13:00〜(ランチ付き), 16:00〜

公式ウェブサイト : https://www.brasseriesurrealiste.com

ビアジャッジブラセリー・シュルレアリストブラッセルズ・ビア・チャレンジブリュッセルベルギーベルギービール審査会

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

(一社)日本ビアジャーナリスト協会 発信メディア一覧

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この記事を書いたひと

安彦良紀 (Kazuki Abiko)

ビアジャーナリスト

1996年生まれ、福島県出身。ブリュッセル在住。ブリュッセル自由大学(ULB) 博士課程在学中。2023年度日本ビアジャーナリスト協会新人賞受賞。
インスタグラム@bierebelgequejaime114でも、飲んだクラフトビールの記録およびベルギーや他のヨーロッパ諸国で訪れたバーや醸造所の情報を発信中。

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