ビールに愛された皆さまへ

スーパーの棚で、見慣れた“鳥のラベル”が目に入りました。
「あっ、DHCビールの新作だ」と思い、手に取ってみると――見慣れたDHCのロゴが無く、そこには見慣れない文字が。
ラベルには「FUJI PREMIUM BREWING」と書かれていました。

シュリンクフィルムのラベル。小ロットでもきれいにデザイン可能。

そういえば…社名が変わったと聞いたような。
と思い出しつつも、DHCのロゴが消えていることに一瞬戸惑いました。
しかし、このビール『麦芽とホップのコンツェルト』は、まさにあの御殿場の醸造所が生んだ新しい一杯でした。
旧・DHCビールの技術と理念を受け継ぎ、2025年に再編された新ブランド「FUJI PREMIUM BREWING（フジ・プレミアム・ブルーイング）」が2025年5月に発売した銘柄です。すでにビールファンからも認知され、とても高い評価を得ています。

4種類の麦芽と7種類のホップが織りなす調和。
名前のとおり、まるで“協奏曲”のような深みを感じるビールでした。

第1章　ブランド移行の背景――DHCビールの系譜を継ぐもの

「DHCビール」の歴史は2015年、食品メーカー・米久が手がけていた「御殿場高原ビール」事業を
DHCが譲り受けたことから始まります。
その後、DHCはラガーやペールエールなど多彩なスタイルを展開し、
御殿場の澄んだ水と安定した技術によって数々のビアコンペで受賞、そして多くのファンを獲得しました。

2020年にはビール事業をDHC本体に統合。
そして2023年、DHCがオリックスの子会社となったことをきっかけに、
ビール事業は独立の道を歩み始めます。

2025年1月、新会社・株式会社FUJI PREMIUM BREWING（FPB）が設立され、
同月6日に酒類製造免許を取得。
旧DHCビールのレシピや設備、人材の多くがFPBに継承されました。

つまり、「御殿場高原ビール」→「DHCビール」→「FUJI PREMIUM BREWING」という流れは、
単なる社名変更ではなく、富士山の雪解け水でビールを醸す、御殿場の地で続いてきたクラフトビール文化のリレーなのです。

以前、おいしさに感動したDHCビールの名品。

第2章　『麦芽とホップのコンツェルト』とは

スタイルと基本情報

• スタイル：ペールエール（無濾過）

• アルコール度数：6.0％

• 使用麦芽：ペールエールモルト、ピルスナーモルト、クリスタルモルト、ミューニックモルト

• 使用ホップ：エクアノット、ストラータ、カスケード、シトラ、モザイク、ネルソンソーヴィン、ネクタロン

香り

グラスを傾けると、南半球ホップ特有のトロピカルで草原のような香りが立ち上がります。
ネルソンソーヴィンとネクタロンによる白ワイン様のアロマを、
アメリカンホップの柑橘系がやさしく包み込みます。

味わい

口に含むと、ペールエールモルトとクリスタルモルトがもたらすふくよかなコク。
苦味はすっきりとしており、後味にかけて透明感のあるキレが感じられます。
香り、コク、苦味、それぞれが競い合うことなく、見事に調和しています。

まさにその名のとおり、“麦芽とホップの協奏曲”という表現がぴったりの一杯です。

第3章　御殿場から始まる、新しい協奏曲

FUJI PREMIUM BREWINGは、DHCビール時代に築いた「澄んだ味わい」と「安定した品質」を大切にしながら、
より創造的で自由なクラフトビール造りを目指しています。
『麦芽とホップのコンツェルト』は、その第一歩として生まれた意欲的な作品です。

クラシックなエールの骨格に、現代的なホップの香りを重ねるという設計。
それは、これまでのファンにも新しいクラフトビールを求める飲み手にも、
どちらにも響く“再始動のシンボル”と言えるでしょう。

結びにかえて

「見慣れた鳥のラベルに惹かれて手に取ったら、ブランド名が変わっていた」
そんな小さな驚きが、実は御殿場のブルワリーが新たなステージに踏み出した証でした。

FUJI PREMIUM BREWINGが奏でる、『麦芽とホップのコンツェルト』。
その一杯を味わえば、DHCビールから続く時間の旋律が、静かに喉の奥で響くことでしょう。

FUJI PREMIUM BREWINGの公式サイトはこちら