[コラム,ブルワー]2017.10.28

ブランド力を強め、世界に飛躍するBREWERYに! 【Far Yeast Brewing編】

Far Yeast Brewingブルワリーレポート山田司朗氏源流醸造所

2017年5月。念願であった自社醸造所を稼働させた「Far Yeast Brewing株式会社(以下、Far Yeast)」。インターナショナル・ビアカップでは金賞(フリースタイルライトエール部門)を受賞し、醸造開始から短期間においても高品質のビールを提供しています。新たな拠点を設け、今何を思うのか。お話を伺ってきました。

自社醸造所設立で、より明確化されたブランド展開に!

「Far Yeast」の特徴として「馨和(KAGUA)」ブランドをはじめとする自社ビールを委託醸造で製造することにありました。近年、新規ブルワリーの開業が増えてきているなか、ブルワリーとしての特徴を打ち出すうえで、コントラクト・ブルーイング(※1)は注目を集めています。自社工場をもつことは反対にその特徴を失うという考えはなかったのでしょうか。

「もともと、会社を設立するときに自社工場をもちたいという思いがありました。しかし、技術面や資金面といった課題からコントラクト・ブルーイングからスタートすることにしました。まず販路を確立し、その後に自社醸造所をもつことは起業時からの計画でした。ただ、設備の輸入をはじめ、工場の完成までの時間が長くなり、製造免許の申請から交付までに1年以上の時間がかかりました。本当はもう少し早く、造れるようにしたかったですね(笑)。あと、これまでは委託醸造であったため、ブルワリーとして認めてもらえないところもありました。それは変わってくると思います。しかし、『馨和(KAGUA)』はベルギーでの醸造を続けます」と自社工場設立は起業当初の計画であったことを話してくださったのは、代表取締役の山田司朗さんです。

自社工場製造の「Far Yeast」ブランドとベルギーでの委託製造の「馨和(KAGUA)」ブランド。1つのブルワリーながら、2つのブランドの立ち位置を明確に分けたことで、他にはない新たな特徴を生み出しました。

※1 自社工場をもたず、委託醸造で生産するブルワリー

代表取締役の山田氏(左)、ヘッドブルワーの栁井氏(中)、ブルワーの細貝氏(右)

新工場は東京に水を供給する源流の地に

都内にオフィスをもちながら、決してアクセスが良いといえない場所に醸造所を設けた(※2)のは、「東京Tokyo」を表現しているビール「Far Yeast」を造るうえで欠かすことができない水が関係しています。東京に水を供給する水源の1つに多摩川水系があり、ここ小菅村は多摩川の源流部にあたる場所です。原材料からもブランドを意識したストーリーが感じられます。

※2 JR奥多摩駅よりバスで約50分またはJR大月駅より小菅の湯までバス(約40分)。そこから徒歩約25分

「『馨和(KAGUA)』を造っているベルギーのブルワリーを参考に設計しています。ベルギーのブルワリーは日本やアメリカと異なり、閉鎖的なところが多いです。ベルジャンスタイルを特徴としていることもあり、これは私たちにとってオープンなパートナーがいることは大きいです」と工場の特徴について教えてくださいました。

1回の仕込みは3000L。現在、貯蔵タンクは5基あるが、今後増設予定とのこと。

「定番の4種類のビールから仕込みを開始しました。実はこれまでと製法を変更し、瓶内発酵(2次発酵)になっています。安定して供給できるようになり、現在は限定ビールにもチャレンジしています」とのこと。工場内には2次発酵室が設けられ、2週間ほど発酵が行われます。取材時には発売直前のビールがありました。

2次発酵室。室温を20℃に保ち、2週間程度行われる。

造り手と飲み手の交流の場「ブルワリーオープンデー」!

「ファンの方から『見学がしたい』という要望をいただいていました。しかし、アクセスの問題もありますし、当社はブルワリーレストランを併設した観光面は持ち合わせていません。常時、見学希望者を受け入れる体制ではありませんので、月に1度、そのような要望にお応えする機会を設けようということで開催しています」ときっかけを話し、理想はロンドンの「カーネル・ブルワリー」のように多く人が訪れてくれる場所にしたいとのこと。

反応は上々のようで、「やっぱり自分が好きなビールが造られている場所を見られるということで、喜んでもらっています。何よりも見学者に設備や醸造工程を説明することで、私たち自身が改めて気づく機会を得られているということが大きな発見になっています。『どのような目的で、どのようにして造るのか』ということを明確にしていかないとお客さんに納得してもらえませんから」と思わぬ発見もあったそうです。

◆ブルワリーオープンデーについてはFar Yeast Brewing源流醸造所 Facebookページをご参照ください。

醸造所にはFar Yeastの製造方法が描かれている。オープンデーでは説明を受けながら間近で醸造設備を見ることができる。

溢れるアイデアを世界に発信していく!

これからの展望を訊ねてみると「バレルを使ったビールやベルジャンスタイルの特徴であるサワービールを造っていきたいと思います。その他には山梨県は多くのフルーツが栽培される場所なので、これらを使って山梨県らしいビールも造っていきたいです。ただ、地産地消というだけではなく、この場所を活かしたビールを通じて、誰もがワクワクするような新しい価値を創造していくことを世界に発信していきたいですね」と「馨和(KAGUA)」)はすでに16か国に輸出しているが、自社工場の製品も海外へ発信していくとのこと。

大切にしている価値観「パートナー」、「コミュニティ」、「サステナビリティ」、「グローバル」。新たな拠点を構えたことで、より力強く発信していく「Far Yeast」。これからもますます発展を遂げ、私たちに素晴らしい時間を与えてくれることでしょう。

左よりFar Yeastシリーズの東京ホワイト、東京ブロンド、東京IPA、TransporterとのコラボレーションビールのFINAL CUT。限定醸造のゆずセッションとFar Yeast BICYCLE COFFEE IPA。
今後もどんなビールが登場するか楽しみだ!

◆Far Yeast Brewing株式会社 Data

〚本社〛住所:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-6-8 5階

〚源流醸造所〛住所:〒403-0211 山梨県北都留郡小菅村4341-1

Homepage:http://www.faryeast.com/

Facebook:〚Far Yeast Brewing株式会社〛https://www.facebook.com/faryeast/〚源流醸造所〛https://www.facebook.com/faryeastbrewery/

Twitter:@faryeastbrewing/@y46

お問合せ:こちらのページからお願いします

〚Far Yeast Tokyo – CraftBeer&Bao -(ファーイーストトウキョウ クラフトビール&バオ )〛

住所:東京都渋谷区渋谷2-6-8サラ青山1F

電話:03-6874-0373

営業時間:<平日>ランチ11:30~15:00(L.O.14:00) ディナー17:00~23:00(L.O.22:00)

<土日祝日>11:30~22:00(L.O.21:00)

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05007木暮 亮

この記事を書いたひと

木暮 亮

ビアジャーナリスト

『日本にも美味しいビールがたくさんある!』をモットーに応援活動を行っている。実際に現地へ足を運び、ビールの味だけではなく、ブルワーのビールへの想いを聴き、伝えている。飲んだ日本のビールは1500種類以上。また、ビールイベントにてブルワリーのサポート活動にも積極的に参加し、ジャーナリストの立場以外からもビール業界を応援している。

当HPにて、「ブルワリーレポート」、「うちの逸品いかがですか?」、「Beerに惹かれたものたち」、「ビール誕生秘話」、「飲める!買える!酒屋さんを巡って」などを連載中。

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