[テイスティング]2022.2.16

【JBJAChannel】マニア垂涎の!ウエストフレテレン10年もの飲み比べ

ビールに愛された皆さまへ!

今日公開のJBJAChannelはまたもや、素敵なハンサムな若い男性ゲストをお呼びしての、ベルギービールの飲み比べとなります!

何故、ゲストにそんなにベルギービールを飲ませるのか、といいますと、実はベルギービールのお店でスタッフとしての経験も豊富な、新進気鋭の俳優さんなのです。

そして、今回はBJA(ビアジャーナリストアカデミー)副学長である川端ジェーンの秘蔵中の秘蔵、ベルギービールマニア垂涎の的と言われる、ウエストフレテレンの熟成モノ、しかも大人気のアブトも提供して頂きました。

ウエストフレテレンとは

ベルギーのウエスト=フランデレン州にある、シント・シクスタス (Sint Sixtus) 修道院という、トラピスト修道院(カトリック厳律シトー会)で作られている伝統的なベルギービールの一つです。

こちらのご商売は、大変に浮世離れしていて、ビールは通常、修道院でしか販売していません。卸売していないので、その辺の販売店から購入することができないのです。しかも、修道院に売店が常時あるわけではなく、不定期だというのです。
販売するという日になると、修道院の前に小さな看板が出るそうです。その看板を見て、見た人から情報を聞きつけたりして、買いたい人が乗用車で乗り付けます。いわゆるドライブスルーのような状態で、車1台につきビールは1ケース(24本)だけ、買うことが出来ます。同じ日に二回並んでも無駄です。ナンバーを控えられていて断られます。こちらのビールを買い求めることが出来た人は最高にラッキーです。

大人気商品のアブト12は、生産量を増やしてはどうかという巷の意見もあったそうですが(市場原理からすると当然の理屈ですね)、修道院側としては、そんなことは考えていないそうです。(稀に、修道院改築費用のために一部の商品が卸売されたことがあったぐらいです)

ビール醸造は、あくまで神への奉仕の労働活動の一部でしかないのです。修道士のメインの活動は「祈り」なのです。

(祈りって何?どうして儲かるに決まっているのに大量生産しないの?と思われた方は、是非ともお近くのカトリック教会に行って、神父様にお話を聞いてみましょう。ネットで文言を調べるより、本当に信仰しているプロの宗教家の魂のオーラを感じてみれば、トラピストビールの神髄が見えてくるかもしれませんよ。教会はいつも門を開いて待っています、とよく耳にしますので。)

10年寝かせた、貴重なビールの飲み比べ

そんな希少なウエストフレテレンを川端ジェーンさんがハンドキャリーで日本へ大切に持ち帰ったもの、貴重な10年経過の長期保存バージョンを提供していただき、今回、ありがたくも飲み比べをしてみました。

右から、ハンドキャリーで持ち帰ったブロンド・エクストラ・アブト、そして一番左側の1本が、2012年ごろに修道院改修費のためにセット販売された時に小西酒造さんから買い求めたアブトです。

もう、日本では入手不可能な大変貴重なビールです。

でも、問題が一つ、いえ、2本ありました。ブロンドが5.8%、そしてエクストラは8%。これらのビールが果たして10年という年月をどのように受け止めて、そして成長してきたのか。(ゲストの小針君からも「怖い」と恐れられました)

ベルギービールを寝かせる、という趣味

ベルギービールが好きな方々の中には、ハイアルコールのビールを大切に数年間保存してから味わう、という趣味をお持ち方もいらっしゃるそうです。

「え?ビールって『工場の煙突の影の範囲内で飲め』っていうぐらい新鮮な方がいいのでは?」

と、普通のビール好きな方ならその知識の中で聞いたことがありませんか?そして、疑問に思うことではないでしょうか。

ここで大切なのは「ハイアルコール」ということなのですが、およそ8.5%以上ということです。

アルコール度数が高いビールは、腐敗しづらく(あくまでしづらい、ということで、条件によってはそういう恐れもあります)長い期間保存してから飲用することが可能なのです。でも、醸造元や販売元が「この期日までに飲んでね」と消費期限・賞味期限を決めている場合、それを越してからの保存や飲用についてはユーザーの自己責任となるのは忘れないでくださいね。

適性な温度管理をして寝かせたハイアルコールのビールは、だんだんと新鮮さを、若さを失ってきます。瓶内で熟成が進み、フレッシュなうちに飲んだのでは味わえないような、深みのある趣深い飲み物へと変化していくのです。
「いい感じに枯れてきている」という表現を聞いたことがありますが、年齢の行った中年以降の男性に、渋いダンディズムを感じるような、そういう感性が求められるのかもしれません。

「枯れ」を楽しむ玄人(マニア)

さて、柴田恭兵が年を重ねてもいい男というのは分かるとしても、「枯れたベルギービール」がどのぐらい素敵なのか、これは初心者には少しハードルが高いかもしれません。

まず、オリジナル(通常の流通過程での賞味期限内)の味わいをしっかりと確認してから、そのビールのおいしさを理解した上で、寝かせたビールを味わってみないと「変化」を感じることが出来ません。

長期保存させる分だけ購入すればいいのではなく、その味を覚え込むために何度も、シーズナルなビールなら数年飲み続けて、ようやく身に着けられる楽しみ方と言えるでしょう。まさにオトナの楽しみですね。

そういった視点で今回の動画を見て頂けると、川端ジェーンやゲストの小針君が、どれだけの飲酒経験と知識を持ち、そしてベルギービールの世界に投資して来たのかが判るような気がして、改めて感心してしまいます。

今回は【前編】【後編】の2回に分けて、2日連続でアップロード公開の予定です。

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※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

MJ

ビアジャーナリスト/Youtube JBJA Channelプロデューサー

ビールと昆虫とリコーダーと天然石が大好きです。JBJAではイベントサポートやBJAチューターも楽しんで取り組んでおります。人に寄り添う記事作成を心がけ、JBJA公式動画サイトJBJAchannelではMCを担当しております。
JBJA公式動画サイト:YouTube JBJAチャンネル

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