[コラム]2025.6.2

ビール注ぎは泡作りである-美味しい泡の作り方から飲み方まで-

『ビールにおいて、泡の役割は重要である』

普段からビールを嗜む皆様においては、上記についてはある程度の共通認識をお持ちだと思われる。では、なぜ重要なのか?

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚。

いわゆる『五感』にどう影響を与えるのか、泡がどのようにでき、ビールの構成成分によって泡の状態がどう変化するのか。

これらについての記事や文献は数多く存在する。

但し、『注ぎ』によってどのように泡の質感を『変えることができる』のか、注がれた後のビールの味わいはどのように変化しているのかといった要素までまとめたものは、まだまだ少ないと感じている。

今回は特に後者にも着目し、『泡』について総合的に掘り下げていく。

ビールの泡

(国内外を含め、まだまだ不確定な情報が多いため、本記事は筆者の注ぎ手としての実体験や、注ぎ手の皆さまの経験則等を元にした情報も多いことを先にお伝えさせていただく)

ビールの泡の原理①:ビールは多量の炭酸ガスが溶け込んでいる液体である

既に様々な文献で語られているが、「注ぎと泡の関係性」を語る上で改めて触れておきたい。

  1. グラスに注ぐなどしてビールに刺激を与えると泡が発生する。
  2. 他の炭酸飲料やスパークリングワインなどとは異なり、その泡はすぐには消えずに比較的長く持続する。

長期熟成されたものや一部のビアスタイルを除き、普段私達が目にするほとんどのビールの「泡」において、上記の2点は周知の事実である。

1.には特に「炭酸ガス」、2.には「界面活性物質」が関係している。

まず1.の「炭酸ガス」について。

ビールはCO2の過飽和溶液(溶解度の限度を超えて溶質を溶かしている溶液)である。

簡単にいうと、「日常の生活環境(大気圧)下で液体(水)に含ませられる以上の炭酸ガスを無理くり詰め込んでいる、とっても不安定な状態」だ。

ぎゅうぎゅうに押し込まれた満員電車を想像していただけるとわかりやすい。

電車に乗った人たち(=ビールという液体に溶け込んだ炭酸ガス)はいち早く外に出たい。駅に到着し、電車の扉が開かれる(=開栓する)と、平常の状態に戻ろうと雪崩のようにホーム(=液体外)に飛び出していく。

その際に、後ろから押されたり、せかされたりする(=外部から刺激を与えられる)となおのことで、よく振られた缶や瓶を開けた際にビールが泡となって噴き出すのはこのためだ。
(科学的な非常に小難しい説明は割愛する)

ぎゅうぎゅうに押し込まれている炭酸ガス

容器内の液体に炭酸ガスが満員電車のようにぎゅうぎゅうに押し込まれていると考えると想像しやすい(イメージ図)

また、ビールをはじめとした炭酸飲料を、ふたをせずに放置するとだんだん気が抜けていく(炭酸ガスが遊離する)のは、本来(室温・大気圧下)の環境で溶けることができる炭酸ガスの適切な量に戻っていくからである。

FOAM: Practical Guides for Beer Quality (Practical Guides to Beer Quality)/ Charles Bamforth 著(2013)』(以下「FOAM」)によると、室温(20℃)のコップ一杯の水を二酸化炭素(CO2)100%の気圧下に1日ほど置き、CO2がどれだけ水に溶けているかを測定すると、水1mLあたり約「0.9 mL(0.9 volume ≒ 1.8 g/L)」になるが、ビールに溶けている炭酸ガス量は平均約「2.5 volume(≒ 5 g/L)」になるという(つまりはそれくらいたくさん溶けてますよということだ)。

この過飽和状態のおかげで「シュワシュワとした炭酸感と喉ごし」を味わうことができる。炭酸ガスはアルコール発酵中にも生成されるが、今日の多くのビールは密閉された発酵・貯酒タンク内で再度、炭酸ガスで強く加圧してから容器(瓶・缶・生樽)に詰めることでこの過飽和状態を作っている。
(上記の方法を「フォースカーボネーション」という。逆に、発酵中に得られた炭酸ガスのみを利用した場合を「ナチュラル・カーボネーション」といい、例えば瓶内二次発酵ビールは密閉された瓶内で再発酵させることで必要な炭酸ガス量を得ている)

ビールの泡の原理②:泡の形成と長持ちする要因

では、どうしてこの状態のビールに刺激を与えると「泡」ができるのか?

泡ができる現象は「核生成(かくせいせい)」と呼ばれ、下記を元に泡が発生していく。

  1. グラス内の傷や不純物
  2. 予め形成されたマイクロバブル(=細かな泡)
  3. ビール中の不溶性粒子(タンパク質など)

(つまりは、①グラスに傷や汚れが付いている、②既に泡立っている所に注ぎ足す、③ヴァイツェンや無濾過ビールなど(例外あり)は泡立ちやすいということである)

ここまではコーラでもシャンパンでも言えることだが、なぜビールの泡はしばらくの間「長持ちする」のだろうか?

これには、主にビールに含まれる「タンパク質」「ホップ樹脂」が関係している。

ビールの泡の材料は、主に以下の4つである。

  • 気体(炭酸ガス)
  • 液体(ビールそのもの)
  • 麦芽由来のタンパク質
  • ホップ由来の樹脂類

「タンパク質」と「ホップ樹脂」が含まれた「液体」の膜にぐるりと周囲を囲まれた「炭酸ガス」の「粒」が集まったものが泡の正体である。

たんぱく質やホップ樹脂は「界面活性剤(物質)」と呼ばれ、水になじみやすい部分(親水基)と、油になじみやすい部分(親油基)の両方を持つ構造をしている(S極とN極を持つ磁石を想像するとイメージしやすいかもしれない)。それらが液体の表面に集まり、手を取り合って接着剤のような役割をしてくれているおかげで、炭酸ガスが大気中に揮散せず、液体の上にぷかぷかと泡が立ち続けるという現象が起きている。タンパク質とホップ樹脂をそれぞれ供給する麦とホップから醸造され、かつ炭酸を含む液体だからこそなしえる光景なのだ。

泡の断面のイメージ図

泡の断面のイメージ図。タンパク質とホップ樹脂(特にイソフムロン類とイソキサントフモール(後述)が関係しているとされている)が含まれる液体の膜が炭酸ガスを含む気体をぐるっと囲むことで泡の粒が形成されている

よって、「泡の成分」に着目した場合、泡の材料である「炭酸ガス」「タンパク質」「ホップ樹脂」が多く含まれるビールは泡立ちやすい(注1)。つまりは、「爽快なのど越しの為に炭酸感を利かせたピルスナー」「ホップを多く使用したペールエールやIPA」「タンパク質を豊富に含む小麦を使用したヴァイツェンやベルジャン・ホワイト」などは比較的泡が立ちやすく、長持ちするものが多い。

また、「泡の物理的要因」に着目すると、下記の条件があるほど長持ちする。

  1. 泡の粒径が小さい(細かい)
  2. 泡の数が多い(厚みのある泡)
  3. 泡の粒度が均一(粒がそろっている。大粒の泡が混ざっていない)
  4. 液温(泡の温度)が低い(注2)

少々乱暴ではあるが、総じて言えば『よく冷えたビールのきめ細かく整った泡は長続きする』ということである。自宅でグラスに注いで飲む缶や瓶ビールよりも、飲食店で提供されるような、キンキンに冷やされ純白の泡が乗った生ビールの泡の方が長持ちしているのを想像してみれば、皆さんもご納得いただけるだろう。

今日の(特に大手ラガービールを提供する)飲食店の多くは、「瞬冷式ビアサーバーと泡付機能付き2口カラン」を用いて樽生ビールを提供している。常温に置かれた生樽からビールがサーバー内に引き込まれ、液体は同器具内で飲用温度(4-6℃)まで急冷される。グラスに優しく液体を注ぎ、泡付け機能付きのカランで非常にきめ細かい泡をそっと乗せれば、誰でも簡単に、きめ細かい泡と液体のコントラストが美しい、メーカー推奨の味わいのビールを完成させることができる(現在では家庭でも超音波を用いたビール泡だて器(ビアフォーマー)などもあるため、自宅での再現も比較的容易ではある)。

瞬冷式ビールサーバー(左)と泡付機能付き2口カラン(中央)によって注がれたビール(右)(写真提供:咲場923(練馬))

瞬冷式ビールサーバー(左)と泡付機能付き2口カラン(中央)によって注がれたビール(右)(写真提供:咲場923(練馬))

ビアフォーマー(一例)とそれを用いて形成されたきめ細やかな泡

ビアフォーマー(一例)とそれを用いて形成されたきめ細やかな泡

『FOAM』において、細かい泡が長持ちする理由としては、次の二点が挙げられている。

第一に、完全に泡が消えるにはより多くの泡の層(数)が崩壊しなくてはならない。同体積の泡の層(厚み)において、細かい粒の方がよりたくさんの数が存在し、それが全て弾けるのに時間がかかりそうなのは想像に難くない。

同体積の泡の層(厚み)における大きな泡の粒(左)と小さな粒(右)のイメージ図

同体積の泡の層(厚み)における粗い泡の粒(左)と細かい粒(右)のイメージ図。右の方がより多くの泡の粒が消える必要がある。

第二に、泡が消滅すると炭酸ガスは大気中に揮散し、他の成分(タンパク質やホップ樹脂等を含んだ液体)はビールの液体に戻っていくことになるが、細かな泡の層からの排出速度は、大きな泡の層よりも遅くなる。「泡から排出された液体は泡と泡の隙間を落ちていくことになるのだが、そのすり抜けていく道は、大きな泡の周りよりも、無数の小さな泡の周りの方がずっと遠回りになる(距離が長くなる)」ということだ(満員電車の人をかき分けながら自分だけ降りる時のイメージに近いかもしれない)。

(同著では「localized enhanced viscosity(局所増粘)」の概念も語られているが、ここでは割愛する。また、上記は「①泡の粒径が小さい」「②泡の数が多い」について視点が置かれた理由だが、「③泡の粒度が均一」「④液温(泡の温度)が低い」については同様に、同書においてKdV方程式(コルトヴェーグ・ドフリース方程式)を用いて説明されている。同じく大変難しい内容なのでご興味がある方は同著をぜひご参照頂きたい)

泡の粒とその通り道のイメージ図

泡の粒と液体の通り道のイメージ図。崩壊した泡から放出される液体は、右の方が液体部分に落ちるまでに時間を要する。

さらに言えば、グラスに注がれたビールの泡には液体から炭酸ガスが補給され、泡が立ち続ける現象(「FOAM」では「beading」又は「creaming」と表現されている)も同時並行的に起きているため、泡の物理学は、非常に難解な分野であるといえよう(注3)。

(注1)「飯牟礼 隆(サッポロビール株式会社 品質保証部 品質保証グループ兼グループ品質保証グループ グループリーダー 博士(農学))」氏によると、泡の保持性に関与するビールの物質としては、上記のタンパク質とホップ樹脂の他にも、金属イオンや多糖類、脂肪酸、酵母由来のプロテアーゼ(酵素)、メイラード反応生成物などが挙げられる(マイナスに作用するものもある)。

また、泡に持続性を付与する大麦由来のタンパク質は、ビール中や大麦種子内での含有量の多さから主に「プロテインZ」「LTP(Lipid transfer protein 1」「BDAI-1(Barley Dimeric alpha-amylase inhibitor-1)」「ホルデイン」などの研究が活発に進められ、これらのタンパク質は泡持ちを持続させるという一定の理解が得られている。

同じく、泡に持続性を付与するホップ樹脂は「イソフムロン類」や「ルプロン(ルブロンという表記の文献もある)」「イソキサントフモール」などと言われている。それぞれ「α酸」「β酸」の成分であり、ホップの苦味成分にも関係するポリフェノールの仲間である。

同社ではこれらの遺伝子同定や泡持ちへの影響を研究することで、ビールの泡や香味品質向上を期待したオオムギやホップの育種を行っている。例えば、同社のレギュラー商品「サッポロ生ビール黒ラベル」等に実用化されている「旨さ長持ち麦芽」はその成果の一つである。この麦芽(ビール醸造用に大麦を加工したもの)の元となる大麦は「リポキシゲナーゼ-1(LOX-1)欠失オオムギ(=LOX(ロックス)レス大麦)」とも呼ばれ、LOX(脂質酸化酵素)が含まれないオオムギ品種である。LOXはビールの香味を悪くするオフフレーバーの一つ「トランス-2-ノネナール(T-2-N)」や泡持ちに負に作用するTHOD(トリヒドロキシオクタデセン酸)生成に関与する主要な酵素であり、この酵素が欠失したオオムギから作られた麦芽を使用することで、ふたの役割を担っている『「泡」の持ちが良くなる(後述) = 美味しさの長持ち』に貢献している。

旨さ長持ち麦芽:サッポロビール(株)提供

旨さ長持ち麦芽:サッポロビール(株)提供

(注2)但し、泡「立ち」は液温が高い方ほど良い。そもそもビールは「日常の生活環境(大気圧)下で液体(水)に含ませられる以上の炭酸ガスを無理くり詰め込んでいる、とっても不安定な状態」であり、かつ大気圧下での二酸化炭素(CO2)の沸点は「-78.46℃」のため、CO2君達はいち早く気体となりビールの液体内から飛び出したい状況である。「液温が高い = CO2が液体内から気体として放出されやすくなる = その分泡が立ちやすくなる」という原理である。泡「持ち」に関しては、「山本祥三(麦酒大学:中野)」氏(以下、山本)のお言葉を借りると、厳密には「粒径が小さく、成分のバランスが良い」状態がより長持ちするという。

「液温が低いと炭酸ガスの運動が少なく済む為、細かな炭酸ガスの粒で泡が形成されやすく粒径も小さくなります。但し、液温が低い、特に空冷式(樽を冷蔵庫などで保管し提供するシステム)等で樽自体を冷却している場合は、液体への不用意な炭酸ガスの溶け込みを防ぐために、ビールを樽から押し出す為のガス圧をより低く設定することが多いです。ガス圧が低い(又はタップのしぼりが甘い)と注出時の圧力差が減り結果的に泡に親水性成分が多くなるので、同時に泡持ちは悪くなります。」

いずれにせよ、注ぐ前のビールの液温は、泡の形成(そしてそれによる味わいの変化)に意外とシビアに影響してくる要素であるということだ。

(注3)サッポロビールではビールの泡と液体の間にある超微細な泡の層を「フロスティミスト」と呼称しており、この現象と泡の再生力には相関関係がある事を研究成果で述べている。

フロスティミスト

フロスティミストの例。適切な条件でビールを注ぐと、繊細でクリーミーな純白の泡と液体の間に、グラスを傾ける毎に微細な泡が次々と形成される

ビールの泡が五感に与える影響

では、「泡」は美味しさにどのような影響を与えるのか。

各感覚において、下記のような影響がある、またはあると考えられてる。

視覚

泡は視覚的な美味しさを提供する。きめ細かさはもちろん、特段、淡色ビールの場合は純白に輝く泡と黄金色の液体とのコントラストを生み、それは見ているだけで嗅覚や味覚をも刺激する。一般的には、人間の五感による知覚の割合は「視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚は1%」と言われており、これは「美味しさ」を感じる上でも例外ではない。

また、泡立ちが良く、厚みがあり、長く持続する泡はビールの新鮮さを連想させる。ビールはたとえ未開栓の状態でも、ホップ成分が次第に変質していくとともに、酵母の自己消化によるProteinase A(タンパク質分解酵素)の溶出により泡立ち・泡持ちが悪くなっていくためだ(長期熟成ビールが泡立ちにくいのはそのためである)。

黒ビールの代表格「ギネス」等の提供方法に採用されている「窒素ガス」を用いた注ぎも同様に、美味しさに寄与する視覚的効果は大きい。

グラスに注いだ際に、泡が滝のように流れ落ち、波のようにうねりながらふっくらとした泡と輝く液体に分かれていく現象(注4)は、視覚的な魅力はもちろん、それが終わるのを待つ数分間のうちに、「待て!!」を言い渡された犬のように飲用への期待値はぐんぐんと上がっていく。

また、やや横道にそれるが、窒素を溶け込ませて注がれたビールは、炭酸ガスで注いだものよりもホップ風味が抑制されるとされている。

(注4)窒素ガスがビールに溶け込んでいることによって生み出される現象であり、滝(= Cascade)のように見えることから「Cascade show(カスケードショー)」と呼ばれる(泡が完成するまでの一連の工程には「サージング」という名称がついている)。また、液体と泡とにきれいに分かれ切ってから口を付けることが推奨されており、ギネス社曰く、美味しいギネスビールが注がれるまでの所要時間は「119.5秒」とされている。

「ドラフトギネス」の「Cascade show(カスケードショー)」

「ドラフトギネス」の「Cascade show(カスケードショー)」

聴覚

ビールの泡は時間経過につれてだんだんと消えて、炭酸ガスは大気中に揮散し、水分など残りの成分は液体中に戻っていく。その時の弾ける泡の音もまた食欲をそそる。一般的にはきめ細かいクリーミーな泡よりは、肉眼でも見えるような大き目の粒のような泡の方が、グラスに耳を近づけた時に弾ける音が聞こえる。それは口に含んだ際も同じことが言えよう。また、注いでいるときの泡が上がってくる際の「じゅわー」という音も、爽快感やリフレッシュ感・新鮮さ等を連想させ、ビールを口に含む前から聴覚的な美味しさを付与する。ただ、その音を聞くためにどぼどぼとグラスに注いでしまうのは(意図的に味わいを変化させたい場合を除き)、爽快感がなくなるなどビールに良い影響を与えないため注意が必要である。

嗅覚

泡は美味しさを保つ「ふた」の役割をしている、と聞いたことはあるだろうか?

ビールの泡は「液体中の炭酸ガスを保つ」「ビール中の香り成分が必要以上に揮発するのを防ぐ」「ビールの酸化を遅らせる」という重要任務を任されている(★)。

温度変化も合わせてゆっくりと楽しむ一部のハイアルコールビールなどを除き、特に淡色ラガービールなど爽快な味わいを楽しむビールにとっては、グラスに注がれた瞬間(=空気に触れた瞬間)からは「時間」との戦いだ。炭酸が次第に飛んでいくのはもちろん、ホップからもたらされる香り成分は揮発性の高いものが多く、次第に爽快さを失っていく。

また、空気中の酸素と触れ合うことで、ビール中の成分がだんだんと変質し、オフフレーバーと言われる一定以上存在すると心地よく感じない香気成分が生成されていく。卓上にしばらく放置されたビールが美味しくないと感じるのは、炭酸が抜けて水っぽくなるだけでなく、ホップの華やかな香り等を感じなくなり、美味しく感じなくする香気成分がたくさん生成されてしまっているからである。

泡を付けずにビールをご提供する飲食店も少なからず存在するが、それは泡がないことによる効能というよりは文化的等々の側面が強い。例えば、イギリス南部やアメリカのように、できるだけ泡を少なくして、グラスに目一杯に液体を注いで提供することを良しとする国や地域も存在する(注5)

「泡を少なくしてその分液体(量)を多く注いでほしい」「その方がお得」と考える方は一定数いらっしゃるのも事実であろう。

日本国内でも昭和15年(1940年)、上野広小路にあった「上野ビヤホール」に査察が入り、生ビールの泡が多すぎる(当時は1000mlのジョッキに200ml程度の泡を乗せるのが慣例とされていた。当然のことながら液体部分は800ml程度ということになり、生ビールの仕入れと売上リッター数(杯数)の辻褄が合わず、それに対して疑問が持たれた)として、それを皮切りに「公定価格違反」としてビアホール3社を相手とした訴訟問題に発展したことは有名な話である(「ビールの泡は、ビールであるか、ないか」が争点となり、結果、泡も「ビール」であるとして起訴側の敗訴となった)。

(注5)例えば、ハンドポンプを用いて提供されるイギリスの「カスクエール」の場合、一般的にはロンドンを境に以南は泡なし、以北は泡ありで提供される。ハンドポンプの注出口に「スパークラー」と呼ばれる泡立て用の器具を取り付けて注出され、その泡は「ヨークシャーヘッド」とも呼ばれている。イギリスの主要なホップ産地は「ケント」を代表するような南部であり、北部は産地から遠くホップも高価であったため、ホップ使用量が少なくとも良好な泡立ち・持ちのビールを提供する為に上記の器具を用いたり、ビター(ビアスタイルの一種)などを醸造する場合にも小麦を少量入れ泡立ちを良くするなどの処置を施していたといわれている。

味覚

前述のとおり、ビールの泡の成分には「ホップ樹脂」が含まれている。よって、麦芽由来の甘味成分が含まれている液体とはちがい、一般的に泡の部分は甘味成分が乏しい分「苦味」をより強く感じやすいと言われている(★)。

また、時間経過により泡は次第に消滅し、液体内に戻っていくため、時間がたったビールほど苦味がより強くなる。「空気=酸素」に触れることによるビールの「酸化」についても時間経過とともにリスクが高まるが、空気に触れていた泡が液体内に戻る、泡が消え液面が露出し空気に触れる、グラスを傾け口を付ける度に空気を巻き込むことでホップの苦味成分が変質し、しばしば「渋み(収斂味)」を感じることもある。

同じく時間経過による「気抜け」はもちろん、「炭酸含有量」と「炭酸感」も苦味の感じ方に影響を与える。まず、「炭酸含有量」という点において、ビールや炭酸飲料等に含まれる炭酸(二酸化炭素)は一般的に「酸味」を呈する。炭酸の刺激により口腔内の酸味感受細胞が活性化するのが要因とされているが、「酸味」は甘味や苦味を感じにくくするため、液体内の含有量が多いと甘味や苦味を感じにくい(時間が経って気抜けしたビールが甘ったるく、不快な苦味を感じるのはそのためである)。「炭酸感」というのは、含有量はもちろん質の問題で、平たく言えば「粒の大きさ・泡のきめ細やかさ」である。ぱちぱち、しゅわしゅわ、ぷちぷち、、、後述の質感とも関わってくるが、口に含んだ際に炭酸ガスの1粒1粒が大きく弾けるほど口内が強く刺激され、他の味わいが感じにくくなる。逆に、きめ細かく液体内に溶けた状態だと甘味や液体本来の味わいを感じやすくなる。

泡は次第に液体へと戻っていく。

泡は次第に液体へと戻っていく。

触覚

泡の「きめ細やかさ」は触覚にも影響を与える。一般的に、泡のきめ細かい泡ほど、口当たりが「リッチ」や「クリーミー」と例えられるような感覚に近づく。サントリービールがプロモーションする「神泡」もその一つで、プレミアムビールなどの贅沢な味わいを演出するには非常に良い。逆に、泡の粒が大きいとプチプチと口先や口内で泡が弾けることにより、「クリスピー」と例えられるような爽快感をより演出する。泡付け機能を使わず、液体を注ぎながら形成する泡はこちらに該当し、いわゆるビアホールで飲まれるような、気取らず杯数を飲ませるようなレギュラービールにより適していると個人的に考えている。

泡の質感の違い。右の方が左の泡よりきめ細かい。

泡の質感の違い。右の方が左の泡よりきめ細かい。

泡の質感は、「該当ビールの良さを最大限引き出すにはどの質感が適切か」「どのようにビールを提供したいか・飲んでいただきたいか」で選択すべきであろう。

また、「山本祥三(麦酒大学:中野)」氏によると、「クリーミーなきめ細かい泡は、その下の液体の味わいをマスキングする(隠す・緩和する)」とも語っており、力強い苦味やピリピリとした炭酸感の口当たり・さらに言えばオフフレーバーなどネガになりうる味わいを和らげることにも有効と思われる(★)。

(★)山本によると「泡がふたの役割をすることでビールの酸化を遅らせる・防ぐ」という表現はやや語弊があるとも語っている。「口に付ける為にグラスを傾ける~テーブルに置く」の一連の流れも含め、液体表面から空気(酸素)が液体中に供給される割合よりも「グラスに注がれたときにどれだけ酸素を巻き込んだか(業界では「もまれる」などと例えられる)」の方が味わいへの影響が大きいというのがその理由である。

また、泡の方が液体より「苦味を感じやすい」という点も、「泡の構成成分 = 泡の膜にどれだけ親水性の成分が多く含まれるか」によっても味わいは変化するとしている。例えば、チェコの代表的ビール「ピルスナーウルケル」の注ぎ方のひとつである「ミルコ / ムリーコ(Mlíko)」は、専用タップのハンドルを絞る(注出口をほんの少しだけ開く)ことできめ細やかな泡だけを注出しグラスに注ぎ入れるが、その搾り具合(圧力差)によっても泡の粒径や泡膜表面の水分量(つまりは液体のままのビールの量)が変化する。同じ「ミルコ」でも搾れば搾る(ガス圧を強くするorビールの通り道を狭くする)ほど、より多く「細やかな泡」の状態のビールが抽出されるため、柔らかな食感と甘味をより感じることになる(ビール自体のCO2含有量にも依存する)。きめ細かい泡が液体のネガティブな味わいをマスキングするという点においても、このように口に当たる、口に含んだ際の味覚や触覚の変化に他の感覚が引っ張られることが要因とされると述べている。

「ピルスナーウルケル」の異なる3つの注ぎ方。左から「ハラディンカ(Hladinka)」「シュニット(Šnyt)」「ムリーコ(Mlíko)」。「ムリーコ(Mlíko)」は非常にクリーミーな口当たりとまさに牛乳(Mlíko)のように麦の甘味を楽しめる注ぎ方である。

「ピルスナーウルケル」の異なる3つの注ぎ方。左から「ハラディンカ(Hladinka)」「シュニット(Šnyt)」「ムリーコ(Mlíko)」。「ムリーコ(Mlíko)」は非常にクリーミーな口当たりとまさに牛乳(Mlíko)のように麦の甘味を楽しめる注ぎ方である。

「泡」まで美味しくビールを飲む為には?

「泡」について、ここまでのことを一度整理してみよう。

  1. 泡はビールの液体に含まれる炭酸ガスを元に泡立ち、泡に持続性を付与するタンパク質とホップ樹脂などにより長持ちする
    →よってIPAや小麦のビールなどは泡立ち・泡持ちやすい。時間経過などにより劣化したビールは泡立ち・持ちが悪くなる
  2.  グラスの傷や汚れがあったり、注ぎ足しをすると泡が発生する
  3.  よく冷えたビールのきめ細かく整った泡は長続きする
    →逆に、高めの温度で提供されたビールは泡立ちやすいが、泡持ちはやや短くなる。荒い・粒のそろっていない・粒の大きい泡ははじけて長持ちはしにくい
  4.  五感全てにおいて、「泡」はビールの味わいに様々な影響を与える。

ここで勘違いしないで頂きたいのは、「泡がなく注がれたビールは例外なく悪」という訳ではないことである。

前述のとおり、長期熟成ビールなど一部のビールは泡立ち・泡持ちに乏しいことは珍しくない。それらに付与する液体内の炭酸ガスが時間経過により減少していたり、ホップ樹脂が変質している可能性があるからだ。また前述のとおり、パイントグラスに液体がなみなみと注がれた状態で提供される例も少なくはない。

但し、大手ラガーを代表するような淡色のラガービールなど、のどごしの爽快感や味わいの新鮮さを売りとするビールの類には特に「泡」は重要な役割を担っている。

上記を踏まえて「泡」まで美味しく頂く為にはどのようにすべきだろうか?

まずはご家庭での飲用シーンを想定していく。

鮮度管理

一部の長期熟成可能なビールを除き、ビールは製造・出荷してから早めに飲用する(提供する)に越したことはない。

ビールには賞味期限表示が義務付けられており、大手ビールは詰め日から9カ月程度、クラフトビールでは6か月(半年)程度が主流である(製造方法や醸造家のこだわりなどにより、もう少し長く1年間や逆に3か月と短いもの、20年と設定されているものもある)。賞味期限を過ぎたからといっても、密閉状態で衛生面での品質変化が起きることはまずないが、時間経過は多くのビールにおいて「泡」という観点でいえばネガティブに働く場合が多い(但し、その変化の度合いはそもそもの醸造方法や封入・保管・輸送状況など様々な要因がある)。

静置・冷却

スーパーやコンビニで買ってきたビールを帰宅してからすぐ開栓すると、「ぷしゅ!!」っと泡が噴き出ることがある。コーラなど炭酸飲料と同様に、ビールは「日常の生活環境(大気圧)下で液体(水)に含ませられる以上の炭酸ガスを無理くり詰め込んでいる、とっても不安定な状態」であるので、揺さぶられるなど外部から衝撃が加わると、炭酸ガスは密閉状態から解放された瞬間、直ちに大気中に飛び出そうとし、泡が必要以上に発生する。泡が噴き出たコーラやビールを飲むと、なんだか炭酸が抜けているような感じがするのは上記が原因である。

開栓した瞬間泡が噴き出た缶ビール

開栓した瞬間泡が噴き出た缶ビール

基本的に、缶も瓶も樽商品でも、容器内に入っているビールは「醸造家が提供時に飲んでほしい適切な味わいのバランス」で詰められており、それにはもちろん「炭酸ガス量」も含まれる(多くの製品は「グラスに注がれた時」を想定しているので、缶など容器から直接口を付けて飲むと炭酸感を強く感じたりするのはそのためである)。

グラスに注いだ時に適切な状態になるようコントロールできるように、ビールは予め静置・冷却(静かに置いて冷やしておく)のが大変重要であると考えている注ぎ手は少なくない(スムージービールといった提供時に樽を動かさないと成分が均一にならないような一部の例外も存在する)。

これは家庭でも飲食店でも共通であるが、飲用(提供)前の最低半日、理想は『1日以上』、冷蔵庫で全く触らずに置いておく。2~3日できればなおよいが、それ以降の味わいへの関与は意見が分かれる。

家庭で冷蔵庫から取り出すときは、不用意に揺らしすぎるとせっかくの努力(我慢)が台無しになるので合わせて注意してほしい。また、開栓時もいきなりプルタブを全開にしたり王冠を抜くと、大気圧と内圧の差を瞬時に埋めようとして炭酸ガスが余分に放出されるという意見もあり、一度少しだけ隙間を作り、「シューッ」っとゆっくりガスを抜いてから開け切るとよいと説明する注ぎ手も存在する。

*静置の重要性については、過去のこちらの実験もご参照いただきたい。
【【買ったらすぐ飲むな!?】ビールが何日で「本来の」味になるのか検証してみた】
http://xn--jbja-uk4claa2jta2o3g2g.jp/archives/28997

また、クラフトビールに多く見られる「要冷蔵」商品は当然として、大手ラガービールのような「常温流通可」の商品もなるべく「冷蔵庫」で保存することを個人的にはおすすめする。ビールは高温ほど品質劣化の速度が速まることが分かっており、大手ラガービールでも保管温度が30℃を超えると香味・風味の劣化が極端に加速するとされている(クラフトビールにおける要冷蔵商品は、5℃前後または10℃以下での保存を推奨している醸造所が多いようだ)。日本には四季があり、夏は炎天下、冬は暖房、年中通して温度変化があるためその影響を最小限に抑えることができる。また、ビールは光(紫外線や直射日光)にさらされても味わいに変化が起きる為、「遮光」という意味でも冷蔵庫に入れて置くのは有効である(但し、これらの上記の観点からドアポケットなど振動の加わる場所やボトルビール(缶商品は基本的に光を通さない)を庫内照明付近で長期間保管することはお勧めしない。よりシビアに品質を求めるなら、ボトルに新聞紙など紙を巻いて保管するのがベストである)。

グラスの形状・洗浄・温度

グラスの形状は、味わいはもちろん、視覚的効果の面でも非常に重要なファクターである。

但し、液種や用途・歴史的背景等によって様々な理論や考え方が存在し、それこそ100を超えるビアスタイル全ての味わいを100%引き出す「絶対解」は非常に難儀であるため、ここでは主に「大手の淡色ラガービール」を注ぐ際の観点で綴っていく。

サッポロビール(株)のHPには、「おいしく飲めるグラス」について、下記のように記載されている。

ビールがおいしく飲めるグラスの形の基本は、美しくゆるやかな曲線を持つ円筒形で、底に丸みのあるものです。この形状のグラスは注いだ時ビールがちょうど円を描くように下から上へとなめらかに対流してきめ細かな泡を作ります。 人間にとって最も美しいと感じる基本的な比率は1:1.62と言われています。それは、黄金分割比とも呼ばれています。しかし、ビールを美味しく飲む為のグラスはもう少しスマートで直径1に対して高さ1.8~2.2くらいのものがベストです。
https://www.sapporobeer.jp/company/quality/detail004.html

 

大手の淡色ラガービールを美味しくいただくグラスの形状の例(同HPより転載)

大手の淡色ラガービールを美味しくいただくグラスの形状の例(同HPより転載)

同様に、「おいしく飲めないグラス」についても明確に語っているのはおもしろいところだ。

グラスの縦・横の比率が大きかったり・小さかったりするとビールがおいしく飲めません。直径1に対して高さが2.2以上のものは背が高すぎ泡が多く立つようになります。1.6以下のものは炭酸ガスが抜けやすく、粗い泡ができやすくなります。グラスの先が開いているものは、炭酸ガスが抜けやすく、粗い泡になることで、泡持ちも悪くなるため、ビールを長く楽しむことが出来ません。グラスの底が角張っているものは、炭酸ガスや泡がグラスの上の方に抜け難いので炭酸がきつくなり、重くなるので、ビールをすっきり飲むことが出来ません。

ビールをグラスに注ぐ際には、液体に負担をかけない適切な対流が重要である。特に大手淡色ラガービールの場合はそのクリーンな味わいや炭酸による爽快感が売りであるため、それを阻害しないものを専用グラスとして採用しているものが多い。

また同様に、グラスの形状はその対流から生まれる「泡」の量や質感にも影響する。大手ビール各社は見た目が美しく、飲んでもおいしいビールの黄金比率として「7:3」を推奨している所が多い。

(前述のとおり、全てがこれに当てはまるわけではない。ビアスタイルや視覚的なエンターテイメント性、その店舗での提供スタイルなど様々な要因がある。陶器製や、わざと泡を発生させる焼きものグラス等を見たことがある方もいらっしゃるだろう。また、山本曰く「(文献による明確な記述は見受けられないが)日本で7:3(8:2)」が推奨されている理由として、飲用時にグラスを傾けた(約45°)際に、「泡と液体を同時に飲める割合」が上記の比率」とのことだ。昭和の頃は「泡は(苦くて)美味しくないもの」という認識がより強かったとされており、ふたの役割をする泡を上唇で抑えながら飲み終わりまで液体部分を喉奥に流し入れられる上記の割合が定着したと説明している)

また、飲む前の「洗浄」も怠ってはいけない。

グラスに注ぐ際のビールの一番の天敵は「油分」「ほこり」などの汚れである。

注がれたビールのグラス側面や底に気泡が付いていたり、そこからぷつぷつと気泡が上がってくるのを見たことがある人も多いのではないだろうか?

それは油分やほこり、または前に注がれていたビールがちゃんと取り除かれていないサインである。

きれいなグラス(左)と汚れたグラス(右)に注がれたビールの泡の違い。

きれいなグラス(左)と汚れたグラス(右)に注がれたビールの泡の違い。右のビールは泡が粗くなり、グラス側面には気泡が付いてしまっている。

泡が粗く、すぐ消えてしまい、グラス側面にもぶつぶつと気泡が付いている見た目よりは、きめの整った純白の泡と黄金色に輝く曇りない液体が美しいコントラストを形成しているビールの方がより飲みたい!と思うはずである。

また、外観はもちろんのこと、下記のように味覚や嗅覚、触覚へも悪影響を与えてしまう。

  • 泡が早く消え、液体が空気と触れることで酸化(味わいの劣化)の進行が早くなる
  • 香気成分や炭酸ガスが揮散しやすくなり、飲み進めるにつれて平坦な味わいとなる
  • 汚れ由来の香りや味わいがビールのテイストに影響を与える

グラス洗浄における注意点は主に以下である。

  • グラス専用の柔らかいスポンジを用意する
    (ビールメーカー備品や市販のスポンジでも構わない。食器類など油脂が付着するものを避け、グラス側面を傷つけないよう研磨する材質のものは使用しない)
  • 洗剤は香りの強くない又は無香の中性洗剤(ヤシの実洗剤なども望ましい)
  • グラス側面や縁、底までくまなく磨き、水やぬるま湯でしっかり注ぐ
  • タオルで拭かず、バット等に逆さにし自然乾燥する(糸くず等の付着や臭い移りを防止)
  • グラスを洗うシンクなどには料理や食材の油分などが混入しないよう留意する
スポンジの例。100均のものでも十分に洗浄効果がある。

スポンジの例。100均のものでも十分に洗浄効果がある。

細心の注意を払い大手ラガービールを注ぐ、注ぎ分けする店舗では、ビールグラスを氷水を張ったシンクに浸したり、グラス内を氷水で満たしてから使用することが一般的である。家庭では、洗ったグラス内に氷水を入れるか、冬なら水道の水を当てておくだけで冷やすことができる(簡単にビールを冷やすことができ、室内が温かく冷えをより明確に感じることができる「冬こそ(も?)ラガービールがうまい」と私は常々思っている)。

これは注いだ際にグラス温度によって液体の温度が多少でも上昇してしまうことを防ぐためであり、さらには湿らせることでグラス表面の摩擦を減らし、ビールの炭酸が余計に飛ぶことを防止するためである。

氷水でグラスを冷やしている様子。

氷水でグラスを冷やしている様子。

「リンサー」というグラスを押し付けると水が勢いよく噴射する設備を用いてグラスを湿らすこともある-『BULVÁR TOKYO(ブルヴァール トーキョー)』-

「リンサー」というグラスを押し付けると水が勢いよく噴射する設備を用いてグラスを湿らすこともある-『BULVÁR TOKYO(ブルヴァール トーキョー)』-

大手ラガービールの場合、推奨提供温度が5℃(注6)程度のため、1分ほど冷やしておくことでその温度(またはそれ以下)までグラスを冷却することも兼ねている。

(注6)例えば各社公式HPによると、サッポロビールは「4~8℃(冷蔵庫で常温から5~6時間)が目安で、夏はやや低め、冬はやや高め」サントリービールは「夏なら4~6℃、冬なら6~8℃」と公表している。

注ぎ(つぎ)方

泡の「量(高さ)」「質感」「持続性」、それによるビール自体の「味わい」は注ぎ方によっても変化する。

但し、グラスの項と同様に、銘柄や目指す味わいの方向性、注ぎ手・メーカーの考え方により、「1度注ぎ」「2度注ぎ」「3度注ぎ」、その他さまざまな注ぎ方が存在し、絶対的な正解を述べるのは非常に難解である。

そもそも論にはなるが、本来ビールは(出荷前、醸造中での技術的エラー、輸送時や保管時など様々な点でのイレギュラー(劣化)、鮮度などに不具合がある場合を除き)出荷された時点ですでに美味しい、醸造家が「美味しい」と自信をもって皆さまのもとに届けているいわば「完成品」である。

それでも「注ぎ手」と呼ばれる方々が全国に存在し、目の前のビールをどうやったら「最高の1杯」として味わって頂けるか日々頭を悩ませ、その華麗な所作で注がれた一杯に魅了され続ける方々がいるという事実は、やはり「注ぎ」にも意味があるのだと私は信じている。

*全国の「注ぎ手」や「注ぎ」「注ぎ分け」等の詳細はこちらをご参照頂きたい*
ビール注ぎを継ぐ-スイングカランを含めた注ぎ手の技術を学ぶ

一般的に、液体を注ぎ入れる回数が増えるほど(1度より2度、2度より3度)、下記のように味わいは変化していく(注7)

注ぎによる味わいの変化

「3度注ぎ」は実践のしやすさも含め、各所で推奨されているように思えるが、例えばのどごしの爽快感を味わいたい場合には逆効果である。ビール毎の特徴や、飲みたい気分や提供者の意図によって正しく取捨選択すべきというのが、少なくとも私の考えである。

例えば、下記のような注ぎ方を僭越ながらご紹介させて頂きたいと思う。

  • 静置・冷却された缶(瓶)ビールをそっと冷蔵庫から持ってくる
  • プルタブは1度に開け切らず、一度軽く開けて大気圧との差をなくしてから全開にする。不要に液体内の炭酸ガスを放出させないため。
  • グラスを持っている手を30‐45°ほど手首を捻って構える
  • グラスの側面を沿わせるイメージで、ある程度勢いをつけて注ぎ入れる。泡が溢れそうになったらグラスを立てて注ぎ切る。

動画はこちら

いわゆる「一度注ぎ」という注ぎ方であり、泡を作りながらそれをクッションにして液体を泡下に滑り込ませていくのがポイントである(上手くいくと液体の中を気泡の粒が螺旋状に回転して上がっていくのが見える)。ビヤホールで飲まれるラガービールのようなパチパチと弾ける爽快な炭酸感とのどごし、適度なホップの苦味と麦の甘味を感じることができる。液体に含まれる炭酸ガスも大きくは消費されない為、時間がたってもハリがあり、ベタッとした味わいになりにくい。一度に注ぎ切るため少しコツがいるが、ぜひ1度試してほしい。

(注7)注ぐ回数が一緒でも、所作が違えば味わいも変化する。例えば、同じく「2度」に分けた注ぎ方でも、1投目と2投目の液体の割合、泡の置き換えの有無、グラスの角度やどこに当てたかなどで大きく異なる。特段注ぎ手の場合、完成形の味わいやその為に行う所作の意味や意図(さらに言えばその前のセッティング段階など)を重々理解しておく必要がある。

飲み方

元ニユートーキヨーグループ 総カウンター長「八木 文博」氏(以下、八木)は「飲み方」も重要だと語る。

「そんなことまで、、、」という方もいらっしゃるだろうが、ものは試し、より美味しく「大手ラガービール」を頂けるなら、やってみる価値はあるかもしれない。

  • まず、自宅で飲む場合、缶から直接でなく、グラスに注いで飲む。直接だと香りや味わいを感じにくく、炭酸や苦味を強く感じてしまうため。
  • 泡と液体を一緒に味わう。ふたの役割を残す為、泡だけをすすらない。泡は液体より苦いので、泡だけすすると苦味を強く感じたり、飲み進みづらくなってしまう。
  • 背筋をのばし、上唇で泡を抑えるようにして、泡を残しながら喉奥へビールを軽く流し込む。
  • 1杯のビールを4-5口で、5-6分程度で飲み切れるのが理想。適正温度で、泡と炭酸ガスが残っている状態で飲み切れるように、自身のペースによってグラスサイズ(ビール容量)を決める。

『注ぎ』による泡の質感の変化

さて、ここからは「飲食店」における話である。

実際に「注ぐ」という動作やサーバーシステムの設定において、「泡の量(高さ)」「泡の質感」「泡の持続性」「味わい」は下記のように変化させることができる。

液温

液温が高いほど、泡が立ちやすくなる。結果として、パチパチと弾けやすい泡となり、持続性も短くなる。液温が低いほど、泡は立ちづらいが、泡持ちは良くなる。炭酸が液体により多く残るため、比較的長く炭酸感を感じる液体となる。

流速・流量(ビールライン長・ビールライン径・ガス圧・タップの種類など)

前述のように、ビールの液体に外部より衝撃が加わると、より多くの泡が生成されることになる。ビール注ぎの間では「液体を揉む」などと表現するが、注ぎの所作はさておき、グラスに液体がぶつかった際の衝撃が大きければ大きいほど、泡は立ちやすく、その結果泡の量(層)は多くなり、泡が完全に消えるまで時間を要することになる。

  • ビールライン長を短くする
  • ビールライン径を大きくする
  • 炭酸ガス圧を上げる
  • 径の太いタップを使用する
  • タップのフローコントロールレバーを大きく開く、ハンドルを大きく傾ける

上記によって流速又は流量が上がり、液体がグラスにぶつかった衝撃で泡の発生は促進されるが、 質感はより大粒になる。泡の量(層)は多いが、一粒一粒の持続性という意味ではきめ細かい粒には劣り、泡の生成に炭酸ガスやホップ樹脂が消耗されるため味わいは下記のように変化する。

  • パチパチと弾ける炭酸感を楽しめるが、液体自体に含まれる炭酸ガス量が減少しているため、時間経過とともに炭酸を感じにくい平坦な味わいになりやすい。
  • 特にホップの華やかな香りを引き立たせることができるが、程度を超えると酸化や揮散の元になる。麦のコクや風味は感じやすくなる。
  • 泡はより苦味を感じ、液体はより甘味を感じやすくなる。但し、泡の崩壊につれて、苦味は再度液体に沈降していくとともに、注ぐ際に空気を巻き込みやすい&空気と触れている部分が液体側に戻っていくため、特に時間経過とともに雑味や酸化した味わいを感じやすい。

「きめ細かい・持続性のある泡」を作りたい場合は、現代の2口カランの泡付け機能の使用、スイングカラン等のハンドルの開閉を絞るなどが一般的には用いられる。

ノズル口からのグラス位置(高低差)・間隙(沿わせるか沿わせないか)

  • カランの注出口とグラスに液体がぶつかる位置に高さがある
  • グラスを沿わせずビールを注ぐ・(グラス底に当てるように注ぐ)
  • 注出口から離れた位置からグラスを向かい入れる
  • グラスを向かい入れる所作にスピードを付ける
  • グラスを立てて向かい入れる
  • 極端に寝かせて注ぎ入れる

前述のように、泡の有無はいかに衝撃を加えるか に寄るため、上記のような所作でビールを注ぐと、同じく泡立つ要因になる。この際の泡の量(層)や質感・持続性等は「流速・流量」の項と同様と思って頂いて差し支えない。

グラス当て位置&距離

グラスとノズルの間隙

呼び泡・置き換え泡

「呼び泡」と呼ばれる言葉がある。泡形成の要因の一つに「予め形成されたマイクロバブル(=細かな泡)」と説明したが、「泡がビールの液体とぶつかると液中の炭酸が気泡化」する。飲食店や野外イベント等で、ビアサーバーを用いて自分自身で注いだ際に、泡がグラスに入っている状態でビールを注いだら泡だらけになった、という経験をした方も少なくはないのではないだろうか?

多くのビール専門店では、サーバーからビールを注ぐ際に、最初のほんの数秒ほどの液体を捨ててからグラスに向かい入れることは珍しくない。

これは、タップの先端に残っている液体が空気に触れている(酸化している)ため、その部分を入れない処置であると同時に、その部分は液温が上がり泡立ちやすくなっているため、(泡だらけになる部分を捨てることによるロスを軽減する意味でも)初液部分を除去している。

同様に、「グラス内の傷や不純物」での泡発生を防ぐことも重要であり、最初の不用意な泡立ちを極力減らす&ビールの液温を調整するためにもグラスを水や氷水にくぐらせてからビールを注ぐことも一般的になっている。

逆に、ピルスナーウルケルに採用されている「ハラディンカ」のように、先に泡を付けてからその下に液体を注ぎ入れる、もしくは「1度注ぎ」のようにビールに液体を注ぎ入れながら同時に泡を形成していく注ぎ方も存在し、これらは「呼び泡」の性質を利用し、泡の厚みや質感を調整している(注8)

  • 後に発生する泡は、既に注がれている泡の質感に引っ張られる
    →粗い泡が存在すると、その泡の質感に寄る&泡の崩壊のメカニズムにより、消泡が早くなる
  • 泡に液体をぶつけることで、粒子を細かくすることができる
    →ノズルの注出口を泡の層に潜り込ませることで、より細かい泡を形成することができる。逆に、注がれた液体の層に液体をぶつけると余計な衝撃が加わる、泡の上から液体をぶつけると不用意に空気を巻き込む為、酸化の要因になるとされている

泡(液面)とノズルの位置

このように認識している注ぎ手も多く、現在サーバーの泡付機能カランできめ細かい泡に置き換えるのも理に適っていると思われる。

(注8)泡の形成やその粒径には「安定半径」と「臨界半径」という考え方が関わってくると山本は重ねて説明している。「ある一定の大きさまでは安定半径に収束する。また、ある一定以上の大きさは崩壊し、または一定以下の小ささは消泡する(=大きい泡も小さい泡も同じ大きさになろうとする)」ということなのだが、こちらも小難しい話になるのでここでは割愛する。

また、同店舗では「注ぎによる泡の粘性・持続性の違い」を、粘度計を用いて測定したことがあり、参考までにこちらに掲載する。

注ぎ方による泡持ちの違い

「トルク=泡の粘性」を指しており、数値のピークが一番粘り気があるという意味になる。例えば、「大学注ぎ、二度注ぎはサラサラの泡→粘り気のある泡→消失」というような泡の粘性および持続性が見て取れる(データは2023.6月時点でのものであり、各種銘柄は当時の液質でのもの、注ぎ方も同店でのものを採用)。

注ぎ方(上)と銘柄(下)による泡持ちの違い(提供:麦酒大学)。「トルク=泡の粘性」を指しており、数値のピークが一番粘り気があるという意味になる。例えば、「大学注ぎ、二度注ぎはサラサラの泡→粘り気のある泡→消失」というような泡の粘性および持続性が見て取れる(データは2023.6月時点でのものであり、各種銘柄は当時の液質でのもの、注ぎ方も同店でのものを採用)。

グラスの形状

「グラスの形状・洗浄・温度」でもお伝えした通り、形状によっても味わいは変化する。考え方はこれまでと同様で、グラスに向かい入れる際に「衝撃を加えるか加えないか」である。

「美しくゆるやかな曲線を持つ円筒形で、底に丸みのあるもの」

グラス内側に装飾が付いていたり、グラスの内径が急に狭まっていたりと、液体の流れを妨げるような形状をしているものはビールに衝撃が加わり泡立ちやすいということだ(逆に、個性的なグラスの形状で有名な「パウエル・クワック」はこれを逆手に取り、注ぐ際に適度にガスが抜け麦の甘味が引き立つようになっていると思われる)。

液体のガスボリュームに合わせた注ぎの調整(液種や開栓日など)

大手ラガービールであれ、クラフトビールであれ、同じ銘柄でも実は液体の状態はいつも一緒とは限らない。

  • 製造ロッド(製造日・月)
  • 静置・冷却の有無(期間)
  • 開栓日
  • 前日まで提供時にかけていたガス圧
  • 前日までのビール残量

これらによって、味わいのバランス・注ぎによって顕現化してくる香味成分・炭酸ガスの溶け込み具合などが変わってくる。注ぎ手にはその時のビールの状態を見極め、注出設定や注ぎの所作を変更し、常に定質化又は「その」ビールの魅力を最大限に引き出す能力が必要になる。

例えば、八木流の「一度注ぎ」では、下記のように泡の「量・高さ(外観)」「質感」「持続性」をビールの状態をみて意識・所作を調整している。

  • 泡の量(高さ
    →液体の泡立ち具合、しやすさによってノズルの位置を調整する。ガッシングしている(ガスが溶け込みすぎており泡立ちやすい)場合はノズルを液体部分にさして泡を持ち上げることができるが、液体がもまれる、泡のロスが増えるリスクもある。逆に泡が立ちにくい場合、ノズルとグラスの間に高さを付ける、泡の上部に液体を当たることで泡の高さを確保できるが、同じく酸化やガス抜け、もまれるリスクが伴う。
  • 泡の質感
    →特に一度注ぎを行う際は、ノズルを泡の中を通すことによって(泡に液体をぶつけることによって)、泡の粒子をより細かくすることができる。かつ液体を不用意にもまずに済み、適切な飲用カーボ―ネーションレベルに調整することができる。そのためにも注出時にかける炭酸ガス圧やビールホースライン長などを調整し、ある程度の流量・流速を確保することも必要である。
  • 泡の持続性
    →荒い泡は粒子の細かい泡より持続性が低い。現在サーバーの泡付機能で注げば非常に細かく、クリーミーな泡を形成することができるが、一度注ぎに比べると爽快感に欠ける。
    逆に、注いだ初期の泡を液体で押し上げるだけでは泡の粒子はやや大粒で持続性、口当たりの良さに欠ける。
    一度注ぎでは初期の泡の粒子に液体を当てることでより粒子を細かくし、爽快感のある口当たりを確保しながら持続する泡を形成する。
    基準は「ノズルの先の延長線上にグラス端底がくる角度」でビールを向かい入れ、泡の立ち方によって、グラスの入射角度やノズル位置のずらしていくタイミングを変更する。
八木文博・一度注ぎ

八木文博氏・一度注ぎ

*八木文博:一度注ぎ*
https://youtu.be/nZMxtNo__tA

最後に-「泡」は全てを物語っている-

上記に述べてきた通り、「泡」は目の前の注がれたビールの味わいの「映し鏡」だ。

「泡立ち・持ち」「質感」「量(高さ)」「美しさ」、、、。

その全てから、ビールの味わいや日々の取り扱い方、注ぎや注出方法等々をどのようなものか、口に付ける前からあらかた推測することができる。

そして、ビールの「美味しさ」にとって軽視できない重要なファクターであるからこそ、大手ビール会社を含め、泡の研究が国内外で盛んにおこなわれてきた。

「ビール注ぎは泡づくりである」

今回の記事執筆は、ぜひ泡研究の分野に「注ぎ」という要素を迎え入れてほしいという意味合いもあるが(測定・分析が非常に困難なため多くが現場レベルの経験則に寄るところは致し方ない側面もある)、これから注ぎ手としてビールと向き合う方々含めて、泡の重要性をぜひ念頭に入れておいてほしいという『八木 文博』氏の要望も兼ねて文字に起こさせて頂いた。

最後までご覧頂いた飲み手の皆さまには、細かいことは抜きにして、「目の前の1杯」に情熱や論理・様々なバックボーンが詰まっていると思って頂けたら幸いだ。

その一杯をより美味しく・感慨深く身体に迎え入れることができたなら、私としても嬉しい限りである。

【参考文献】
・FOAM: Practical Guides for Beer Quality (Practical Guides to Beer Quality)/ Charles Bamforth 著(2013)
・酵母の醸造特性・物質変換に着目したビールテイスト飲料の品質向上と商品開発 / サッポロビール株式会社 著(2024)
・ビール泡品質向上への一貫した取組み / サッポロビール株式会社 著(2016)
・ビールの泡-基礎研究から応用開発まで- / 蛸井 潔 著(2016)
・ビール表面の分子と泡の安定性に相関 / 国立研究開発法人 産業技術総合研究所・キリン株式会社 著 (2018)

サッポロビール 株式会社八木文博泡持ち泡立ち注ぎ方麦酒大学

※記事に掲載されている内容は取材当時の最新情報です。情報は取材先の都合で、予告なしに変更される場合がありますのでくれぐれも最新情報をご確認いただきますようお願い申し上げます。

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この記事を書いたひと

くっくショーヘイ(佐藤 翔平)

フードペアリング インストラクター

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1989年、宮城県出身。岩手大学卒業。
「酸っぱいビール」に衝撃を受け、5000種以上のビールをティスティング。15以上の酒類資格と調理経験を活かし、フードペアリングに関する執筆や「ビアジャーナリストアカデミー」「アカデミー・デュ・ヴァン」「朝日カルチャーセンター」等の講師を務める。
日本地ビール協会公認「シニア・ビアジャッジ」として国際ビアコンペでの審査も行う。

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お酒のお悩み110番/ 出張ソムリエ

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ビール注ぎを継ぐ-スイングカランを含めた注ぎ手の技術を学ぶ-
「ビヤホールにはスイングカランが必要だ」:「八木 文博」さんインタビュー
ビールを注いで半世紀:「海老原 清」さんインタビュー
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■執筆・監修■
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・@DIME(小学館) 1011
・ビール王国(ワイン王国)
・日経プラス1 (日本経済新聞社/日経BP社)
週刊現代 / マネー現代(講談社)
・Get Navi  (学研プラス)
FABEX(日本マッケイン・フーズ)
・Hanako  (マガジンハウス)

■出演■
・飲食店のための食べログチャンネル、(カカクコム)
・クラフトビールで旅しよう!全国オンライン飲み会スペシャル (アスキー)
中居正広のニュースな会(テレビ朝日)
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■ラジオ■
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