[イベント,コラム,テイスティング]2020.11.15

【超・実験!!】「Chimay Blue」を15年分飲み比べしてみた!

熟成すると美味しくなるビールもある。

クラフトビールの名の普及とともに、この事実もある程度は認知されてきているのではないでしょうか?
バーレーワイン、高アルコール、高比重なビールはその典型ですよね。

ですが、、
「熟成したら味はどう変わるのよ?」って皆さん、疑問に思いませんか?
私も気になったので

シメイブルーを15年分飲み比べ

してみました!!

■ 熟成によって味わいはどう変わるのか?

今回は「麦酒処 ぬとり」さんに会場をお借りし、11/7(金)に実験を敢行!
(やまだたいちさん、こばさん、ご協力ありがとうございます!)
14,16,19時~の計3部、各部で6名・計18名(+私)でティスティングアンケートを参加者の皆様にご記入いただきました。

● 銘柄は「Chimay Blue 330ml瓶」。ヴィンテージは2017~2004の15年分。
● 購入先では全て14℃冷暗所保管。クール便で輸送。店舗到着後は7℃で冷蔵静置保存
● 30mlずつ各自のグラスに注ぎ提供。
● 2019のボトルも用意。こちらを試飲頂いた後、熟成の若い順(2017~)に提供
● 2019の味わいを基準として、各項目を比較。強まったら「+」、弱まったら「-」。点数は±10を範囲として各自自由に記入。

ちなみに、熟成により下記のような変化が起こると言われています(諸説あり)。

  • 外観:タンパク遊離による混濁、メイラード反応による色の変化
  • 酸化熟成によるキャラクターが付与される(ナッツ、カラメル香など)
  • ホップの苦味が減退し、相対的に甘味が増加、酸味は角が取れていく
  • アルコールと水の会合が進み、アルコールの刺激臭や口当たりがまろやかに
  • 2次発酵による成分の生成や分解 ー 香味の複雑さ・オフフレーバーの減退

さて、実際はどうだったのでしょうか?

■ 実験結果

集計結果の平均を取り、グラフにまとめると下記のようになりました。

※グラフは2区間の移動平均で作成

上記グラフから推測できることは以下の通り。

  • 「甘味」「味わいの複雑さ」「余韻の長さ」は、古いボトルほどより強くなった(長くなった)と回答する傾向にある
  • 逆に、「炭酸の刺激」「苦味」に関しては、古いボトルほどより弱くなったと回答する傾向にある
  • 「酸味」に関しては大きな変化を言及する参加者は少なかった

「アルコールの刺激」に関しても、「酸味」同様「変化があまりなかった」とグラフ上では読み取ることができます。
但し、個々人のアンケートを調べると古いボトルほど「+」をつけている方と、「-」をつけている方がちょうど半数ほどで分かれました。

これは、「アルコールの刺激」を「喉通りの熱感や飲みごたえ」で解釈した方は「+」、
「ツンとする臭気や刺激が丸くなった」と解釈した方は「-」で採点したかで分かれた結果、
平均を取った際になだらかになったと考えられます。
(実際、アルコールの感じ方や飲みごたえの変化を示すコメントや声も多数いただきました)

■ 熟成すればするほど = 美味しい?

味わいが変化を私も身をもって感じることができました。
そして、新たに一つ疑問です。

「熟成が進めば進むほど美味しい」のでしょうか?
「何年熟成すれば」よいのでしょうか?

各参加者のコメントを抜粋したのがこちらです。

  • 2019と2004は別物。2004は貴醸酒に共通するような性格を感じました。ビールとして楽しめるのは2010年までで09年から別の飲み物感が増します。
    近い年数のものに関しては、醸造年によるボトルの性格からか必ずしも熟成による法則性は感じられないものがありました(40代・男性)
  • 古い年代のものは美味しい熟成が成功しているものとそうでないものがあった(40代・女性)
  • 2010年から味がぼやけてきたように感じた。
    2007年から先(前)は味の優しいバーレーワインのような感じに。
    2014年~2011年が美味しかった(50代・男性)

 

「もう一度飲みたいヴィンテージはどれですか?」という質問もしてみました。

※複数回答可。数字は「飲みたい = ★」をつけた人数。

ある程度票が集まっている年もありますが、「各自の好み」や「瓶内2次発酵・熟成の進み具合」「輸送や保管状況」「レシピの変更」「ビアスタイル」etc…その他要素でその人にとっての飲み頃は大きく変化すると思われます(2014-2012は開栓の瞬間から噴き出すほど元気でした)。

香りについては、コメントにも伺えるようにヴィンテージが上がっていくほど

  • 酵母の自己分解によるパンやビスケットのような香り
  • メイラード反応によるしょうゆやカラメル、スルメのような香り
  • 酸化熟成にナッツのような香り

を強く感じるコメントが多く見受けられました。
(それも含め、2009前後のものから大きく味が変化したとの意見が多かったです)

ぜひ、ビールの熟成させるときの参考になれば幸いです!

More Enjoy Beers!!

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この記事を書いたひと

くっくショーヘイ(佐藤 翔平)

フードペアリング インストラクター

1989年、宮城県生まれ。宮城県出身。岩手大学卒業。
「酸っぱいビール」に衝撃を受け、4000種以上のビールをティスティング。10以上の酒類関連資格と調理経験を活かし、フードペアリングに関する執筆や「ビアジャーナリストアカデミー」「アカデミー・デュ・ヴァン」等のセミナー講師を務める。
日本地ビール協会公認「シニア・ビアジャッジ」として国際ビアコンペでの審査も行う。

■執筆・監修■
ビール王国(ワイン王国)
日経プラス1(日本経済新聞社/日経BP社)
週刊女性(主婦と生活社)
SPA!(扶桑社)
週刊現代 / マネー現代(講談社)
・Get Navi 123 (学研プラス)
FABEX(日本マッケイン・フーズ株式会社)

■出演■
くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館(テレビ朝日)
マイビアクエスト(キリンビール)
・クラフトビールオンラインフェス(国税庁)
CRAFT X クリスタルIPAペアリングセミナー(MOON-X株式会社)
フレッシュホップフェスト
BeerTuber AYANEE YouTube

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