[コラム,テイスティング]2016.6.20

宅ビアさんの今宵飯(13)~ ブルーチーズに合うビアソースはどちらか? ~ 独歩ピーチ ピルス VS Timmermans Pêche

Timmermans Pêcheブルーチーズペアリング今宵飯宅ビア独歩 ピーチピルス

お家でビールを楽しむ「宅ビア」の皆様を応援しようと、ビールと小料理をペアリングする本連載。

今回は、最近気になっていた議題を…。
それは

【ブルーチーズと合うビアスタイルは何か?】

という問いである。
一口ブルーチーズと言っても種類は様々だが、着目すべき特徴としては
1. ねっとり濃厚な口当たり
2. 強めの塩味と青カビ由来のピリリとした辛味
3. 青カビ特有の強い芳香

で皆様と認識は違わないと思う。その強い個性で好き嫌いが分かれるのもそうだが、それにどうビールを合わせるかが難しい所だ。

ブルーチーズのクセを抑えるのに「ハチミツ」を付けるという方法があるのはご存知だと思う。
そこで今回はそれをヒントにこちらの二つのビールで実験してみた。

「 独歩 ピーチピルス 」と 「 Timmermans Pêche(ティママン ペシェ) 」である。こちらをそれぞれソースにしてかけてみる、という提案だ。

「 独歩 ピーチピルス 」と 「 Timmermans Pêche(ティママン ペシェ) 」

「 独歩 ピーチピルス 」と 「 Timmermans Pêche(ティママン ペシェ) 」

 

どちらも桃を副原料としているが、前者はクリーンで甘い桃の風味が余韻まで広がる。後者は甘味の中にも酸味や奥行きを感じる味わいだ。これらがブルーチーズと合うのか、そしてどちらがよりマリアージュするのか…

ちなみにその「ペシェソース」は簡単。キッチンドリンカーを演じながらも作ることができる。

まずは、グラニュー糖に微量の水を加え、火にかける。
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グラニュー糖が溶け、泡が大きくぶつぶつしてきたら、ビールを加えて…
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水分をある程度飛ばしたら完成だ。
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それでは、ブルーチーズにかけて食べてみよう。バケットにチーズを塗って、ソースとともに一口。

まずは「独歩 ピーチピルス」から。
ソース自体もモモの甘味をストレートに感じ、砂糖にモモの香りが乗っているような感覚だ。
チーズの塩味と辛味はソースの甘味で、かつチーズの香りはモモの香りで「軽減」された(塩味で甘味が強化され相対的に甘く感じた)。ソースの下地のおかげでビールも抵抗なく入る。「チーズを包む感覚」、とでも言うのだろうか?バケットにソースがしみるとシリアルのようで、お菓子に近い食べ心地だ。
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お次は「ティママン ペシェ」を。
ソースは甘味の中に酸味が効いていて、モモの香りも熟したような丸みのある印象を受ける。
食べ合わせた感覚は、チーズを包むというよりは、「交わっている」に近い。ソースやビールの甘酸味がチーズの塩味のカドを落としながら、辛味をなだめる。ビールを口に通した後もチーズの発酵した風味は穏やかに持続しているが、中でも発酵「臭」とも取れるチーズの独特の風味はかなり抑えられた。ランビックのイースティな風味、モモや他のエステルの香りに絡み合い、よりビールと料理の一体感を感じることができた。
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結論として、個人的には「ティママン ペシェ」がより良き友。ブルーチーズをなだめながらもその独特の余韻を楽しめる魅力がある。例えるならば、「独歩 ピーチピルス」とはジャムをパンに塗って食べるような、「ティママン ペシェ」とは果実を練り込んだパンを食べるの感覚でよりまとまりを感じた。逆に言えば、ブルーチーズの風味が少し苦手なら、よりストレートにチーズの味を覆いこむ「独歩 ピーチピルス」のソースと共に召し上がるのがおススメだ。

ペアリングという科学と官能を併せ持つ世界は、本当に奥が深いと思わせる実験だ。
よって言葉では表現しきれない部分は…ぜひ皆様も試してみてほしい。

お読みいただいた皆様に感謝を込めて。

-Beer profile-
商品名 : 独歩 ピーチピルス
生産国 : 日本
醸造元 : 宮下酒造株式会社
アルコール度数 : 5.0%
原材料 : 麦芽(使用率50%以上)・ホップ・ピーチ果汁・香料

-Beer profile-
商品名 : Timmermans Pêche
生産国 : ベルギー
醸造元 : ティママン醸造所
アルコール度数 : 4.0%
原材料 : 麦芽・ホップ・小麦・糖類・着色料(カラメル)・酸化防止剤(ビタミンC)・ピーチ果汁、香料

【レシピはこちら】
ブルーチーズのペシェソース添え
【材料(1食分)】
・ブルーチーズ 25g程度
※今回は「ゴルゴンゾーラ ピカンテ(製造者:株式会社東京デーリー)」を使用。
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・バケット 適宜
・フルーツビール 10cc

・グラニュー糖 10g

※分量は目安です。お好みでご調整ください

【作り方】
1. グラニュー糖と少量の水を火にかける。泡がぶくぶくしだしたら、フルーツビールを加え再度煮詰める
2. 少し粘度が出てきたら火を止め、適度に冷ます
3. 用意しておいたチーズとバケットとともに召し上がる

【Back Number】
宅ビアさんの今宵飯(12)~ よなよなエール × シシャモのコンフィ ~
https://www.jbja.jp/archives/13024

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05006佐藤 翔平

この記事を書いたひと

佐藤 翔平(ころっけ)

ビアジャーナリスト

平成元年生まれ。宮城県出身。岩手で学生時代を過ごす。卒業後、料理の道を選び上京。初めて飲んだ「酸っぱいビール」に感動を覚え、ビールの奥深さにはまっていく。2014年、日本ビアジャーナリスト協会所属の「ビアジャーナリスト」として活動開始。調理経験を活かし、フードペアリングを中心とした記事を「週刊現代」「Get Navi」など各雑誌に掲載し、同アカデミーの講師を務める。2017年、「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」に出演。また、日本地ビール協会公認「シニア・ビアジャッジ」として各種世界ビアコンペでの審査も行う。自称、調理もできるビールの変態。

■保有資格一覧
日本地ビール協会公認 シニア・ビアジャッジ
同上   公認 ビアコーディネーター
ジャパンビアソムリエ協会公認 ビアソムリエ
日本ソムリエ協会公認 ソムリエ
同上   公認 SAKE DIPLOMA
日本酒匠・サービス研究会公認 唎酒師
同上      公認 焼酎唎酒師
日本ウィスキー文化研究所公認 ウィスキーエキスパート
チーズプロフェッショナル協会公認 コムラード・オブ・チーズ
  同上      公認 チーズプロフェッショナル取得予定(2020年)

■記事・出演など
『日経プラス1 2016年5月7日付』など
『週刊女性 2017年5月23日号』
『SPA! 2017年9月12日号』
『週刊現代 2018年9月22・29日合併号』
『ビール王国 Vol.14』
『Get Navi 2016年8月号・2017年7月号・2017年8月号・2018年11月号』 など

・『くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館』出演
・キリンビール『グランドキリン』特設サイト『マイビアクエスト』内ペアリングを全監修
その他、『ビアジャーナリストアカデミー』をはじめとした各種講師経験多数あり
#調理経験8年 #ビールの記録だけでも2800銘柄以上 #消しゴムはんこも彫れます

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